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映像良し脚本良しで中だるみのない秀作、テリー・ギリアム”ブラザーズ・グリム”

2011-08-29 23:32:01 | 映画
ここ数日、”ブラザーズ・グリム”が毎日テレビ画面に流れている。
小さい人の仕業。
一度はまるとしつこいほど繰り返す性癖のある小さい人が、今日もまたこの映画を見ていた。
この前は、”シュレック2”を何日も、日に2~3度見ていた。
慣れてくると、好きなところへスキップして見ていたりもする。

”ブラザーズ・グリム”は、”未来世紀ブラジル””Dr.パルナサスの鏡”を監督したテリー・ギリアムの作品だ。
他の2作に比べ、子供にも見やすい作品なので、小さい人も面白がっているらしい。

グリム兄弟といったら、いわずと知れた「グリム童話」の作者である。
ドイツ地方の民間伝承や古い文学を、採集して編纂したものだ。
映画の中では、兄と弟の役割が逆になっている要素もあるが、「ジャックと豆の木」をにおわせる導入部分から、一気に見るものを物語の中に引き込んでいく手腕は、見事に尽きる。
「赤頭巾」「ヘンゼルとグレーテル」、次々に御伽噺の役者が登場し、絡み合って、物語を進めていく。
映像もセピアのトーンを帯びて、近世ヨーロッパのドイツを、視覚的に表現して、実に良い。
それに、テリー・ギリアムの作品では、ハッピーエンドはほぼなさそうなのだが、この作品は、めでたく魔女の呪いを解いて終わりが明るくて、そこも良い。
少しばかり、気持ちの悪い映像箇所があるが、子供が耐えられる範疇だと思う。

CGアニメの勇気・友情・冒険に飽きたのなら、少しスパイシーなこの”ブラザーズ・グリム”、オススメである。
我が家の、チョットばかり変わっている小さい人の折り紙付きでもあるし。
子供と大人も一緒に観られる映画になっている、テリー・ギリアムの秀作に間違いない。