rock_et_nothing

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ポーランドの古都クラクフ

2012-07-21 22:59:35 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」ポーランドの南部の都市、古都クラクフ、中世からの都。
ワルシャワ以前の首都で、今なお工業・文化を担う街として栄えている。
第二次世界大戦で、奇跡的に被害を免れた旧市街地は、世界遺産に登録された。
ヴァヴェル城や織物会館など、往時の姿を今なお留め、なおかつ、積極的に利用されてもいるようだ。
そして、ポーランドは、世界一の琥珀の産地。
クラクフでも、琥珀工芸が盛んなようだ。
琥珀は、白く不透明なものが価値があり、さらに黄色みを帯びるとさらに価値が上がると聞いて驚いた。
イメージとして、透明度が高く澄んでいる物ほど、琥珀の価値が高いように思っていたため。
何を基準に不透明なものがいいのか分からないが、たぶん稀少性なのだと想像している。
ヴィエリチカ岩塩坑は、地下およそ300m、全長300kmの岩塩採掘跡。
今は、何もかも岩塩で彫刻された地下100mの礼拝堂などを観光に開放し、さらに深部には、呼吸器系の患者のための病院施設として使われている。
岩塩の層が、こんなに厚いとは、自然の驚く作用である。

さて、気になるクラクフの郷土料理だが、両方に共通する食材にキャベツが使われている。
まず、”ビゴス”は、肉とトマトを炒め、酢漬けキャベツと煮込んだ家庭料理。
フランスアルザス地方からドイツにかけてよく作られる酢漬けキャベツの登場だ。
日本のキャベツと違って、こちらのキャベツはしっかりとした存在感ある葉なので、ほぼ生では食べない。
温野菜か、煮込むか、酢漬けにするかなどである。
しかも、冬をしのぐための保存食とすれば、酢漬けにするのが最適だろう。
脂っこいソーセージなどにも合うし。
次に、”ゴウォンブキ”、ポーランド風ロールキャベツのこと。
米とひき肉を混ぜたものを中身としてキャベツで巻き、オーブンで蒸し煮にしたものを、トマトソースなどで食べる。
米は、野菜という感覚なので、我々の思う”ひき肉ごはん入りロールキャベツ”とはちょっと違う。
それでも、肉だけよりはさっぱりとして食べやすいだろうし、ヘルシーだ。
他に、”タルタルステーキ”に”ザピエカンカ”(フランスパンの何でもトッピングピザみたいなもの)があったが、あまりにも普通すぎるのでスルーする。
お楽しみのスイーツでは、”クルムフカ”というクリームパイがある。
なんでも、ポーランドのクラクフの司教を務めた先のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、この”クルムフカ”が大好物であったそうな。
”ピエロキ”は、水餃子的夏のスイーツ。
中身は、イチゴやリンゴの果物が入り、生クリームと砂糖を振り掛けて食べるものだという。
本来は、ポーランド風ラビオリで、中身は肉とのことだ。

クラクフ近郊の村について。
コニャク村は、手編みレースの里として200年以上の歴史がある。
しかし、最近の機械技術の向上で、安価で精緻なレースが大量生産されるのに伴い、生産性の低い手編みレースは存亡の危機に立たされた。
そこで、村の婦人連は、レースの下着を作り、今ではかなりの売れ行きを持つという。
かなり過激なデザインもあり、保守派には非難を浴びたそうであるが、売れた者勝ちというのが現実。
ザリピエ村は、花の村というより、フラワーペイントの村。
村中の家の壁、室内はもとより、何もかもが、鮮やかな花の絵で埋め尽くされている。
毎年一回、フラワーペイントのコンクールが催され、村一番のフラワーペインターが選出されて、町おこしの担い手を育てているのだ。

ポーランドは、西欧の東欧。
どことなく垢抜けなく、田舎ののんびりさがまだしっかりと残っているようだ。
ヨーロッパバブルが崩壊し、経済が世界中で失速している中、ポーランドは経済の大海にもまれる小舟のよう。
これからどう生き抜いていくのか、強かにレースの下着を作る女性達のように何とか活路を見出していくのか、気になるところである。