子供の頃、テレビで放送していた料理番組『世界の料理ショー』を見るのが大好きだった。
途切れることのない軽妙なおしゃべりをしながら料理をするグラハム・カーに憧れ、最後にスタジオの来場者の中から一人だけ出来立ての料理を味わえるその栄誉に与りたいと夢見ながら。
見たことすらない料理の数々、馴染みのない素材、魔法薬のような調味料、ミキサーやオーブンという器具、未知の世界が開けている。
『兼高かおる世界の旅』を見ていたときぐらい集中し、小さな頭の中身をフル回転させて理解吸収しようとしていた。
グラハム・カーが料理をするとき必ずやることに、ワインを飲みながらというのがある。
お酒を飲みながら料理をするという行為が、子供心に不謹慎と感じつつ、しかし料理が仕方なしの仕事ではなく食を楽しむ大人の余裕を見た気もして、自分もいつかはそうしようと密かに誓っていたのだ。
そして今、たびたびグラスにワインを注いでは、料理しながら飲んでいる。
もちろん気分はグラハム・カー。
好きな音楽だって流してある。
毎度の食事の支度が気分よく楽しくできるわけではないけれど、作ることも食べることも積極的に楽しまなくては、人生が無味乾燥になってしまう。
だからこそグラハム・カーの精神でざっくりゆったりやりたい。
そうすれば、自ずと料理も美味しくできるはず。
先日弟からメールがあった。
「チリワインの赤を飲みながら、ビーフシチューを作っています。」
グラハム・カーを知らなくても、その流れは別の支流へと伝わったようで、ほくそ笑んでしまった。
途切れることのない軽妙なおしゃべりをしながら料理をするグラハム・カーに憧れ、最後にスタジオの来場者の中から一人だけ出来立ての料理を味わえるその栄誉に与りたいと夢見ながら。
見たことすらない料理の数々、馴染みのない素材、魔法薬のような調味料、ミキサーやオーブンという器具、未知の世界が開けている。
『兼高かおる世界の旅』を見ていたときぐらい集中し、小さな頭の中身をフル回転させて理解吸収しようとしていた。
グラハム・カーが料理をするとき必ずやることに、ワインを飲みながらというのがある。
お酒を飲みながら料理をするという行為が、子供心に不謹慎と感じつつ、しかし料理が仕方なしの仕事ではなく食を楽しむ大人の余裕を見た気もして、自分もいつかはそうしようと密かに誓っていたのだ。
そして今、たびたびグラスにワインを注いでは、料理しながら飲んでいる。
もちろん気分はグラハム・カー。
好きな音楽だって流してある。
毎度の食事の支度が気分よく楽しくできるわけではないけれど、作ることも食べることも積極的に楽しまなくては、人生が無味乾燥になってしまう。
だからこそグラハム・カーの精神でざっくりゆったりやりたい。
そうすれば、自ずと料理も美味しくできるはず。
先日弟からメールがあった。
「チリワインの赤を飲みながら、ビーフシチューを作っています。」
グラハム・カーを知らなくても、その流れは別の支流へと伝わったようで、ほくそ笑んでしまった。