とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

4月のラボ便り

2021年04月13日 | ラボ便り

4月のラボ便り

皆様、こんにちは。

だんだんと春を感じられるようになりましたが、
まだ寒い日もありますので、お体に気をつけてお過ごしください。

今回のラボ便りでは2つの受精方法、体外受精と顕微授精についてお話しします。


〈体外受精〉
採卵手術により体の外に取り出した卵子と、調整により集めた良好精子を培養液中で一緒に培養し、
受精させる方法です。

・メリット
精子が精子自身の力で卵子の中に入り、受精が起こる為より自然に近い方法です。

・デメリット
精子の数が少ない乏精子症の方、精子の運動率が低い精子無力症の方、
奇形精子が多い奇形精子症の方では受精がうまく起こらないことがあります。
卵子内に2個以上の精子が入ってしまう多精子受精が起こることがあります。
これは異常受精ですので、多精子受精を起こした卵子は妊娠に至りません。


〈顕微授精〉
細い針を用いて一個の卵子に直接一個の精子を注入して受精させる方法です。
一個の卵子に対し一個の良好精子があれば受精を目指すことが出来るので、
重度の乏精子症や、精子無力症、奇形精子症などの方でも妊娠を考えていくことが出来ます。
精子の受精能獲得や透明帯貫通などの過程が必要ないため、
それらの受精過程異常による受精障害がある場合でも受精を目指すことが可能です。
(また、女性が抗精子抗体陽性の場合に受精障害が起こる可能性があり、顕微授精の適応となることがあります。)

・メリット
卵子の中に必ず精子が入るため、体外受精に比べて受精率が高くなります。
年齢によって卵子の透明帯が硬化している場合にも有効です。
極少数の運動精子でも受精が可能となります。
形態的な精子の選別が出来る為、
奇形精子症の方でも染色体異常の割合が少ない良好精子を選ぶことが可能です。

・デメリット
針で卵子を刺すため、弱い卵子の場合は受精が起こらず、卵子自体が死んでしまう可能性があります。


体外受精、顕微授精どちらの方法にもメリットデメリットがあります。
当院では患者さんの状況に合わせ、2つの受精方法を行い、
より多くの受精卵を得られるように目指しております。

何かご不明点がございましたら、スタッフまでお声がけ下さい。


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