魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
40『急場のことなのよ!』
「おかしくないのよ」
分かれ道のところに、レミが立っていた……。
「ファンタジーの世界はさまざま。打ち出の小槌で大きくなっちゃう小人もいるし。ガラスの靴穿いて王子さまのハートをゲットした子もいるわ。ガラスの靴って、どう考えても穿いて歩けるシロモノじゃないでしょ。見つめ合っただけで赤ちゃんができることもあるし、木で人形の子どもを作ったら、本当の子どもになった話もあるし。人間が豚さんになって空中戦をやって、女の子のキスでもとの人間にもどったり。おむすびが転がって長者になったり。まあ、いろいろ。マユの仲間にもいるでしょ。結婚式に呼ばれなかったら呪う魔女とか、帽子屋の少女を九十歳のお婆ちゃんにしちゃうのとか」
「アハハ、まあそうだけどな……」
魔女とか魔法使いってのは、そうやって事件を起こして人間を鍛えるって、損な役割なんだけどな、ここは笑ってスルーしとく。
「それより、いいのか。あの二人、姿が見えねえぞ」
気がつくと、赤ずきんと狼男の姿がなかった。
「多少問題はあるけど、いいんじゃない。ハッピーエンドにしたんだから。これで、とりあえず白雪姫と赤ずきんちゃんの問題が解決したわ。つぎ、お願いしていいかしら」
「多少問題はあるけど、いいんじゃない。ハッピーエンドにしたんだから。これで、とりあえず白雪姫と赤ずきんちゃんの問題が解決したわ。つぎ、お願いしていいかしら」
「もう、つぎかよ(^_^;)」
「問題多いのよ、この世界。急場のことで申し訳ないんだけど……」
「急ぎの用事かぁ?」
「そう、急場のことなのよ!」
そう言うと、レミはストローハットを思い切り空高く放り上げやがった!
そう言うと、レミはストローハットを思い切り空高く放り上げやがった!
エイ!
ストローハットは、思いのほか高く舞い上がり、マユの視界は一瞬の間、青空とストローハットだけになっちまったぞ。
ストローハットは、思いのほか高く舞い上がり、マユの視界は一瞬の間、青空とストローハットだけになっちまったぞ。
ストン
ストローハットが落ちたのは石畳の上だったぜ。
さっきまでは、森の中の分かれ道。草の生えた地面と薮しかなかったのに……レミのやつもなかなかやるぜ。
ストローハットが落ちたのは石畳の上だったぜ。
さっきまでは、森の中の分かれ道。草の生えた地面と薮しかなかったのに……レミのやつもなかなかやるぜ。
海の香りがして、マユは周りを見た。
右手の方は、桟橋がいくつもあって、小さな漁船たちが繋がれている。左手は、漁師たちの家や魚の水揚場、飲み屋なんかが並んでる。
どこからか、賑やかな歌や音楽が聞こえてきて、なんとなくカリブの港町が連想されたぞ。
「そう、ここは、カリブの港町よ。マユ」
「そう、ここは、カリブの港町よ。マユ」
わ( ゚Д゚)!
目の前に、バミューダパンツにギンガムチェックのシャツの女の子がストローハットを持って立ってやがる。
「お、おまえ……」
「お、おまえ……」
「あたし、ミファ。レミに頼んでおいたの。マユの手が空いたら、こっちに来てもらえるように」
そう言いながら、ミファはストローハットをズイっと差し出しやがる。
「ん、なんだ!?」
「被ってみて」
「え、こうか?」
「……うん、けっこういけてんじゃん。セーラー服にストローハット。港町にピッタリだよ。あたしに着いて来て……」
「おい」
「…………」
「聞いてんだろうが、おい」
「『おい』じゃないわ、ミファよ」
こいつ、ちょっとめんどくせえかもな。
「じゃあ、ミファ」
「なあに(^▽^)?」
「ここ、どこの港町?」
「あ……キューバ。街の名前はかんべんしてくれる」
マユは、レミが言った「急場の問題」がキューバのナゾであることに気がついた……。
マユは、レミが言った「急場の問題」がキューバのナゾであることに気がついた……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- ミファ レミの次の依頼人
- アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
- 白雪姫
- 赤ずきん
- 狼男
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 片岡先生 マユたちの英語の先生