あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

熊野古道中辺路を歩く⑩(滝尻~紀伊田辺駅)

2008-12-10 22:20:46 | 熊野古道を歩く
 飛び飛びで報告している、10月下旬に歩いた熊野古道中辺路
のレポートですが、ようやく最終日になりました。

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 第7日 2008年10月31日(金)
 =滝尻~紀伊田辺駅=


 
 最終日は、6時起床、6時30分朝食。旅館きけうや出発前、おか
みさんは、「以前は役場の人や林業関係者など、日によっては40
人くらいも飲食に来て賑わったが、時代がすっかり変わってしまっ
た。」「この宿は40年やっているが、いつ止めることになるか分か
らない…」と嘆かれていた。

 自家製の梅干しをお土産にいただき、7時10分、ご主人の車で
滝尻まで送ってもらう。

 昨日参拝した滝尻王子にもう一度参拝し、7時20分にスタート。
左に富田川を眺めながら国道311号を南へ向かう。


 途中の真砂集落は山側の旧道を上がる。太陽が東の山の上に顔
を出し、陽が差してきた。民家の裏のやぶで、時季外れのウグイス
が鳴く。

 国道に戻り、次の旧道との分岐点に清姫の墓があった。江戸時代、
歌舞伎や狂言で知られた安珍・清姫物語の女主人公「清姫」の出生
地。隣に薬師堂もある。


 旧道を上り下りして、朱塗りの吊り橋の北郡橋を渡り、国道を横断、
富田川左岸の中地集落へ。


 山腹の集落を抜け、草道から杉木立下となり、国道のトンネル上に
なる小さい峠を越えた。

 
 富田川左岸沿いに下ったところに、オオウナギ北限の生息地の標
識が立つ。

 国道の橋をくぐり、さらに川沿いを進むと、二つの休憩所が続く。
それぞれれ木のテーブルとベンチが設けられ、流れが見下ろせる。


 対岸には、「道の駅ふるさとセンター大塔」も見える。


 向越の集落を抜け、富田川左岸の車道が続くが、車はほとんど通
らない。ウグイスがまた鳴いた。


 内ノ井集落の住吉神社は、杉や常緑広葉樹に囲まれた静かなた
たずまい。

 本殿が2社、左に3社並ぶ趣ある造りで、社殿の横には、マキと
ムクロジがくっついたご神木の夫婦樹があった。神社の森は県の
天然記念物に指定されている。


 旧大塔村役場前を過ぎ、鮎川新橋を渡る。国道に出た鮎川新橋
バス停際に鮎川王子跡があるが、標石だけ。

 そばに「ふれあいやかた」と呼ぶ熊野古道休憩所があった。

 すぐ先で、国道と2本ある旧道が分かれるが、山際の旧道に入り、
家並みを抜ける。真ん中の旧道に合し、山側の旧道を上地集落に
上がる。振り返る富田川の流れ。

 集落の終わりから急降下して国道に下った。

 車の激しい国道を急ぎ横断、加茂橋を渡って再び左岸へ。

 車の少ない山すその旧道を小山まで進み、集落の上を回ったが、
目指す一ノ瀬王子が見つからない。

 柿の手入れをしていた人に聞き、少し戻って集落の中ほどの一ノ
瀬王子跡へ。クスノキの大木の下に小さい社のみ。

 東側からの入口には表示が無く、少し分かりにくい場所だ。

 市ノ瀬橋を渡って国道311号に出る。王子谷集落の旧道を川沿
いに入る分岐の広場に、クスの大きな古木が展示されていた。

 明治22年(1889)の大水害で上流から流れてきたものらしい。

 旧道の少し先が稲葉根王子跡。クス、カシ、杉など、うっそうとした
森の中に小さい社がある。

 後鳥羽上皇に随行した藤原定家や、足利義満の側室・北野殿な
どが参拝した記録が残されているという。

 ここで予定どおり昼食とし、宿のお握りをいただいたが、雲が増え
て休んでいる内に冷えてきた。              (続く)
コメント
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