『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 ”夏と秋の狭間で心揺らめいて・・・”

2012-07-23 17:03:31 | Weblog

 

            

    あなた

 あの燃えるような暑さがないまま、秋になるのでしょうか?

 窓を開けていると風が冷たく「ぞくっ」とします。この冷たさは?

 あなたも、努々(ゆめゆめ)油断しないように・・・

 夏がなく、秋になってしまうなんて・・・随分と淋しいものです。

” 風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりけり”  「従二位家隆」  

 (風がそよそよと楢(なら)の葉を吹きわたるこの奈良(なら)の小川の夕方は、(もうすっかりと秋のような気配だが) 川辺の禊祓(みそ

 ぎはらい)を見ると、まだ夏であるのだ。)と感慨も一入に詠んだうたのようです。

 今の私にはその気持ちが充分過ぎるくらい判ります。

 夏と秋の狭間で心が揺らめいて・・・結局はひとり残された事えの淋しさ・・・が尾を引いて。

 今日もストンと日が落ちていくようです。

 あなた

 淋しいね・・・