あなた
あの燃えるような暑さがないまま、秋になるのでしょうか?
窓を開けていると風が冷たく「ぞくっ」とします。この冷たさは?
あなたも、努々(ゆめゆめ)油断しないように・・・
夏がなく、秋になってしまうなんて・・・随分と淋しいものです。
” 風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりけり” 「従二位家隆」
(風がそよそよと楢(なら)の葉を吹きわたるこの奈良(なら)の小川の夕方は、(もうすっかりと秋のような気配だが) 川辺の禊祓(みそ
ぎはらい)を見ると、まだ夏であるのだ。)と感慨も一入に詠んだうたのようです。
今の私にはその気持ちが充分過ぎるくらい判ります。
夏と秋の狭間で心が揺らめいて・・・結局はひとり残された事えの淋しさ・・・が尾を引いて。
今日もストンと日が落ちていくようです。
あなた
淋しいね・・・