あなた
今日も色々あったけど、まもなく夜の帳が降りてきます。
ひとりには慣れた筈ですが、やっぱりすごく淋しい。
この時間になると重い雲がゆっくりと空を覆い始めます。その隙間から眩しい光が一筋・・・
”月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど” 大江千里の詠みです
「秋の月を眺めていると、様々と思い起され物悲しいことです。秋はわたしひとりにやって来たのではないのですが。」
その通りと思います。何故か自分だけが淋しいように・・・
あまり上手く歩けないけど、杖を片手にホーマックまで歩く練習。行き交う人みんな、溌溂としている。
いいな~ハイヒールとは言わないけど、あんな風にパッパと歩く事ができたら・・・
中年のご夫婦冬囲いの用意でしょうか・・・あれこれ・・・と。
何気ない、本当に何気ない普段のことが新鮮に見え、「いいなぁ~」って
私はと言えば、一歩また一歩と覚束ない足どりです。それでも一生懸命歩く練習。必ずパッパと歩く事出来ます様・・・
”今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を待ち出でつるかな“ 素性法師
「今すぐに行きましょう」とあなたがおっしゃったので、(その言葉を信じて) 九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出
る頃を迎えてしまいました。
こんな風に家にいる時間が多いわたし、ついつい余計なことを考えて、自分を追い詰めてしう。
「あなた、ほんの少々でいいから!手をかして・・・」