『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 身も心も寒い…

2013-06-27 19:20:56 | Weblog

          

                                                                                                                         

     あなた 

 庭の木の葉は、ひと葉も揺れずただ寒さの遠ざかるのを身を固くして堪えているようにみえる。

 寒いです。

 ひとりと、いうことは心底(しんそこ)寒く、またストーブに火をつけてしまう。

 

 何を考えるでもなく、ただぼんやりと窓越しに外を見ている。

 庭木が大きくなり、それにつけ雑草の背丈も伸び「あぁ嫌だな」…って

 

    ”やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり”   恵慶法師

 季節は秋のように思われますが、我が家の庭を見ていると、この和歌を思いだし、

 荒れる侘しさに胸を突かれます。

   『このような、幾重にも雑草の生い茂った宿は荒れて寂しく、人は誰も訪ねてはこないが

    ここにも秋だけは訪れるようだ。』  と現代意訳がついてありました。

 

 生い茂った雑草の中から可愛い”都忘れ”が身をすぼめるようにしながら顔を覗かせ微笑みかけている。

 寒い今日の日です。