加山雄三 逆境に学ぶ
逆境に立ち、向かって心の大きさということを考えたことがあります。
心は船に似ています。
若いころの心は小さな船のように、ほんの小さなしけでもひっくり返ってしまいます。
しかし、失敗した経験を重ね、心が大きな船になっていけば、
多少の波なら「これぐらいなら平気だな」ということが体験的にわかってくる。
試練は自らに課せられた運命だから立ち向かうしかありません。 朝日新聞1月8日加山雄三(歌手・俳優)談話から抜粋
予想もしなかったつらい事態に直面したとき、どのようにしてその困難(逆境)を乗り越えてきたか。この問いに対する考えを談話形式で答えている。「心の船」。とても分かりやすい例えです。失敗した経験を糧として、その経験の一つひとつが逆境を乗り越えるための肥やしになる、と加山雄三は言っています。
そして、「試練は自らに課せられた運命だから立ち向かうしかありません」と断言するところに、決して順風満帆ではなかった彼の人生哲学が垣間見えます。77歳にして初めて言える「自信に裏打ちされた人生訓」と受け止めました。
「人を大切にすることを忘れちゃだめだ。友達や愛する人が一人二人いるだけで、心はゆとりを失うことがありません」と、人と人のつながりの大切さも忘れてはいません。
ことの葉散歩道(8)