こんなことは絶対に許せない
相模原市の児童相談所 少女8人を裸にし所持品検査
各メディアが伝えるところは、おおむね次の通りです。
相模原市の児童相談所は、
8月に女性職員が一時保護していた8~15歳の少女を全裸にして所持品検査をしていたと発表した。
所内にある意見箱に投入する用紙が一枚無くなったため少女8人を風呂場の脱衣所に連れていき、
バスタオルで体を隠しながらも全裸にして検査をした。
男子児童も男性職員の手によって、同様に検査をされた。
その結果、用紙は発見できなかった。
当日夜(後日という報道もある)、「裸にされて嫌だった」という少女の告白で、事件が明るみに出た。
報道各社とも同じような報道であり、取材努力の跡が見えない。
毎日新聞だけが事件の詳細を伝えている。
なぜたった一枚の用紙が紛失したことがそんなに重大なことなのか。毎日新聞の記事を引用しよう。
児相には複雑な事情を抱える子供のプライバシー保護の徹底が求められ、お互いの氏名を明かすことや連絡先を交換することが制限されている。 同相談所では以前、一時保護中の少女が別の少女の携帯電話番号やツイッターのアカウントなどを記入した紙を下着の中に隠していた問題が発生したことがあった。 そのため、普段から学習時間以外は子供たちにメモ用紙や筆記用具を渡さないようにしていた。職員は意見箱の用紙が「個人情報のやりとりに使われた可能性もある」として所持品検査をしたという 児相には複雑な事情を抱える子供のプライバシー保護の徹底が求められ、お互いの氏名を明かすことや連絡先を交換することが制限されている。 同相談所では以前、一時保護中の少女が別の少女の携帯電話番号やツイッターのアカウントなどを記入した紙を下着の中に隠していた問題が発生したことがあった。 そのため、普段から学習時間以外は子供たちにメモ用紙や筆記用具を渡さないようにしていた。職員は意見箱の用紙が「個人情報のやりとりに使われた可能性もある」として所持品検査をしたという |
「プライバシーの保護のために、児童間の情報交換を禁じる」ということだが、
子どもたちの人権を守らなければいけない機関が「プライバシー保護」の大義名分を振りかざして、
最も守らなければいけない児童の「人権」を侵してしまう行為は許されない。
なぜこのようなことが起こるのだろう。
職員の姿勢には、児童を支える優しい姿勢が見えない。
児童を内面から支え、さまざまな理由から親と隔離され、
生活しなければならない児童たちの「辛い思い」を受け止める思いやりの心が欠落している。
保護された児童を上から目線で見ていないだろうか。
規則にのっとり、保護した児童を親元に返すのか、
児童養護施設に措置するのかということが、
優先するような児童相談所の体質があるとすれば、言語道断です。
「検査は不適切で職員に人権意識がなかった」と、佐藤暁部長は謝罪している。
全裸にした20代の女性職員よ、
あなた方が犯した行為は、職業上の倫理綱領に反する重大な行為なのです。
検査については上司にあたる50代の女性副主幹の了解を得ていたということですが、
部下の逸脱した行為をどうして防ぐことができなかったのか、深く反省していただきたい。
その上で、このような体質を持つ児相の立て直しを真剣に考えてほしい。
児童たちは、家庭という本来守ってくれるべき温かい場所を離れ、
先行きの見通しのない児相の「一時保護制度」に身をゆだねるほか、方法を知らないのです。
彼らは、何よりも優しさと暖かい心をあなた方に臨んでいるのです。
(昨日の風 今日の風 №37) (2015.12.17記)