雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

晩春の我が家の庭 (2)

2016-04-26 11:06:30 | 季節の香り

晩春の我が家の庭 (2) 
                                               (季節の便り№27)
藤の花が今年も咲いてくれた。
大好きな芭蕉さんの句を一句。
       くたびれて宿かる頃や藤の花
            晩春の黄昏時、疲れた足を引きずりながら、今夜の宿を探す芭蕉さん
            の姿が浮かんできます。かすかに甘い匂いが漂ってくる。見上げると
            藤の花が咲いていました。旅の疲れが癒されるひとときを切り取り
            俳句に織り込んだ芭蕉さん。さすがです。

 藤の花の向こう側には、牡丹が咲いています。
    山門に牡丹咲きしと女文字   辻井桂子
           牡丹に劣らない美しい文字の便り、「山門に牡丹が咲きました」なんて奥ゆかしい人なのだろう。
           品格がある。
    牡丹見し残像重ね観世音   白澤よし子
           観世音の優しく優雅な顔と、牡丹の美しさが重なります。

最後にサトウハチローの「目ン無い千鳥」を紹介します。
    雨の夜更けに弾く琴が
   白い小指にしみてゆく
   花がちるちる春が逝く
   胸の扉がまた濡れる

コメント (2)
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