雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

人口減がもたらす社会的危機

2016-12-27 16:17:22 | 昨日の風 今日の風

人口減がもたらす社会的危機
         出生数100人割れ
 厚生労働省によると 、
 今年国内で生まれた日本人の子どもは98万1千人の見込みと発表された。
 減少し続けてきた出生数がついに100万人を割ってしまう。
厚生労働省の 出生数の年次推移は以下の通りだ。
  昭和45年
 1 934 239人
    昭和55年  1 576 889人
    昭和60年    1 431 577人
    平 成 7年  1 187 064人
    平 成 9年 1 191 665人
    平成28年      981 000人(予測)

  出生数と死亡数 
  
 出生数が死亡数より下回る人口の自然減は10年連続つづいている。
   出生数は前年の100万5677人から2万5千人減少し、死亡数は前年より6千人多い戦後最多の129万6千        
   人。
   つまり、1296000人-981000人=315000人となり、自然減が戦後初めて30万人を超える結果になり       

    ます。
  出生数の減少は、親になりうる世代が減っていることが最大の要因だ(朝日新聞、産経新聞)。
 しかし、長年にわたる少子化で、大台を割るのは時間の問題だった。にもかかわらず、実効性のある政策を打ち出せなかった政府の責任は重い。少子化対策の打つ手打つ手が、後手に回っている。
挙句の果てに、少子化と言いながら、待機児童の問題が社会問題となり、少なくなった児童の受け入れもままならない。児童虐待も社会の構造的な歪みによる面も無視できない。
 若い人たちにとっては誠に生きずらい社会がいま私たちの環境を取りまいている。

 子育てにお金がかかる。仕事と子育ての両立が難しい。
そもそも結婚できるだけの生活基盤が整いずらい社会ではないか。雇用問題(非正規労働者問題)、長時間労働、社会保障(年金問題)等々ちょっと考えただけでもたくさんの不安材料を上げることができる。

 社会環境が未婚化、晩婚化、晩産化の一因になっている。
 平均初婚年齢は上がり続けている(朝日新聞)。
   1995年 夫28.5歳  妻26.3歳 だったのが20年後の2015年には次のようになる。
   2015年 夫31.3歳  妻29.4歳 になり、第一子を出産した時の母親の平均年齢は2011年以降、30
   歳を上回っている。
 婚姻・離婚  
   婚姻は戦後最小の62万1千組(前年比1万4千組減) 
   離婚は21万7千組(前年比9千組減) となる見通しだ。

 子どもたちは社会を支える担い手だ。
 社会保障も経済を支える労働力も出生数の減少していく社会では、
 先細りにならざるを得ない。

 今を生きる私たちに直接かかわる問題も大切だが、
 50年100年という長いビジョンを持たない政治は国を滅ぼしてしまう。

 原発もTPPも避けては通れない喫緊の課題なのだが、
 目先の事のみにとらわれてしまえば、
 子どもたちに希望の持てる社会を提供することは難しくなる。

 目標が変わり、政策が頻繁に変わっていく社会は、国民の不安を増幅させてしまう。
 やがて国民の不安が怒りとなって爆発するのか、無気力になってしまうのか。
 たくさんの事例を私たちは歴史から学ぶことができる。

 誰の社会でもない。この社会は私が生きている社会であり、あなたが生きている社会なのだ。
 一人一人が責任をもって将来に引き渡していく義務があるのだ。

 いろいろのことがあり、
 嬉しかったことも 
 悲しかったことも
 全てを包んで
 今年も数日で終わろうとしている。 


 訪問者の皆様ありがとうございました。
                (2016.12.27記)
(昨日の風 今日の風№56)

コメント (2)
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