映画「人生の約束」
人生っていいなぁ
映画キャッチコピー : 友が死んだ。仕事だけに生きてきた私は、友が病に冒されていたことさえ知らなかった。……友の故郷には、町の人々が望み続ける思いがあった。それは、友の最期の想いでもあった。亡き友と交わした約束をここで果たそう。 心がつながる、この場所で……
全編淚なみだの映画でした。
「人が人と心から分かりあえる」とはこう言うことか。
安易に「絆」なんて言葉を使わない方がいいな。
付き合いも浅い人に「絆で結ばれている」なんて言葉を使って欲しくない。
東日本災害後、やたらに「絆」を連発されるのは迷惑ではないか。
最近泣かされる映画を何本か見た。「お母さんの木」、「母と暮らせば」の映画の時も泣いた。
二本の映画は戦後70年を意識して作られた映画であり、
どちらかと言えば第三者的な立ち位置で見ている自分を意識できた。
「人生の約束」の中では「絆」という言葉は登場しない。
強いて言えば、「人と人がつながる」とはこういう事なのだと、表現しているように感じた。
使い古されて陳腐な安っぽい意味になってしまった「絆」を超えるものとして「つながり」という概念を使っている。
人と人がつながり、自然とつながり、コミュニティーの中でより強いつながりが結ばれた時、
生きる意味が見いだされたとき「人生の意味」が見えてくる。
家族を思い、町の人を思い、優しさの連鎖反応の中で、「つながり」が深まり、生きる意味が見えてくる。
雄大な立山連峰を望む富山湾の新湊曳山祭りを舞台に、地方色豊かな人間模様が描かれていく。
他人を蹴散らし、弱い者は押しつぶし、
逆らうものは排除しながら企業拡大に絶対の自信をもって邁進する社長の祐馬に
「立ち止まらなければ見えない景色がある」と親友・航平は諫める。
方針の違いは二人を別の道を歩かせる結果になる。
曳山祭りの責任者でもある町内会長の
「人生において、失ってから気付く大切なものが沢山ある」など、
吟蓄に飛んだ言葉があり、曳山祭りの当日に向けて物語は感動の頂点を迎える。
物語の核を成す人物たちの相関関係があいまいな部分を、
しっかりと観客に理解できるように描いていれば、満点に近い評価をしてもよいと思っている。
評価 ☆☆☆☆(4/5) 85点 (2016.1.31記)
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