「さまよう刃」のタイトルの意味するものは何か?
警察はそれ(長峰が追いつめた殺人少年犯を殺すこと)を阻止しなければならない。
そのために長峰が死んでも仕方がない
というのが警察の見解である。
悪を戒め、正義を守るための警察権力。
だが、自分たちが正義の刃と信じているものは、
本当に正しい方向に向いているのだろうか。
若い刑事・織部の苦悩である。
警察権力と少年法の矛盾の中で
揺れ動く正義の「刃」、ということなのだろう。
また、
「長峰の持つ猟銃には弾丸が装填されていなかった」。
これをどう解釈すればいいのか。
ここに、もう一つのタイトルの意味するところがあると思う。
殺人少年犯を追いつめ、
復讐を遂げようとする長峰の揺れ動く気持ちをイメージしているのではないか。
狂気にも近い殺意が徐々に変化し、
やがて、(4)の(5)で示したように「死の恐怖」を与えることに変わっていく。
同時に、未来に絶望しか見いだせなかった長峰の心に光を灯し、
支えになったペンションの女も見逃せない。
頑(かたく)なに心を閉ざし、復讐の鬼と化す長峰が、
人の情けを受け入れ、人を信じることによって、
未来にかすかな希望を見出していく過程が、
「さまよう刃」の意味するところではないか。
(終)
最初、2~3回のシリーズで終わる予定だったが、
9回と長くなってしまいました。
テーマの内容が重く、映画や原作の小説を読ん
でいない閲覧者にも理解しやすいように書くうち
に、だんだん長くなってしまいました。
続けて閲覧していただいた皆さんに感謝です。
とりあえず、最終回ということですが、日を改めて
テーマに沿った関連本の紹介を「番外編」として
一月から始めたいと思います。
警察はそれ(長峰が追いつめた殺人少年犯を殺すこと)を阻止しなければならない。
そのために長峰が死んでも仕方がない
というのが警察の見解である。
悪を戒め、正義を守るための警察権力。
だが、自分たちが正義の刃と信じているものは、
本当に正しい方向に向いているのだろうか。
若い刑事・織部の苦悩である。
警察権力と少年法の矛盾の中で
揺れ動く正義の「刃」、ということなのだろう。
また、
「長峰の持つ猟銃には弾丸が装填されていなかった」。
これをどう解釈すればいいのか。
ここに、もう一つのタイトルの意味するところがあると思う。
殺人少年犯を追いつめ、
復讐を遂げようとする長峰の揺れ動く気持ちをイメージしているのではないか。
狂気にも近い殺意が徐々に変化し、
やがて、(4)の(5)で示したように「死の恐怖」を与えることに変わっていく。
同時に、未来に絶望しか見いだせなかった長峰の心に光を灯し、
支えになったペンションの女も見逃せない。
頑(かたく)なに心を閉ざし、復讐の鬼と化す長峰が、
人の情けを受け入れ、人を信じることによって、
未来にかすかな希望を見出していく過程が、
「さまよう刃」の意味するところではないか。
(終)
最初、2~3回のシリーズで終わる予定だったが、
9回と長くなってしまいました。
テーマの内容が重く、映画や原作の小説を読ん
でいない閲覧者にも理解しやすいように書くうち
に、だんだん長くなってしまいました。
続けて閲覧していただいた皆さんに感謝です。
とりあえず、最終回ということですが、日を改めて
テーマに沿った関連本の紹介を「番外編」として
一月から始めたいと思います。
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