「地毛証明書」都立高の6割
朝日新聞5/1東京版は次のように伝える(ヘッドラインを引用する)。
東京の都立高校の約6割が、生徒が髪の毛を染めたりパーマをかけたりしていないか、生まれつきの髪かを見分
けるため、一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させていることがわかった。
勘違いによる指導を防ぐ狙いがあるが、
裏付けのために幼児期の写真を出させる例もあり、専門家から疑問視する声もある。
本末転倒
髪の色なんか自由にさせたらいい
多く都立高は校則で髪の染色やパーマを禁止しているが、
染めているのに地毛だという生徒もいて、「地毛証明書」の提出ということになるのだろう。
地毛であるにもかかわらず、間違って指導し、
生徒に嫌な思いをさせないための方法としてはあり得る(東京都教育委員会主事)。
今時、髪を染めている人は珍しくもない。男だって染めている。
時代の流れは、「茶髪」といわれた時代から、髪を染めることが社会的に認知されてきている。
高校生だから染色は駄目というのは何とも理解しがたい。
制服のスカートの丈もどんどん短くなり、これを制止させることはできなかった。
携帯やスマホの所持も今では当たり前になっている。
「生徒の見た目で、学校の評判を落とすわけにはいかない」(荒川区の高校経諭)にいたっては
開いた口が塞がらない。
本末転倒である。
一体だれのための校則なのか。
地毛なのか染色なのか見分けがつかないからといって、「地毛証明書」はないだろう。
ここから見えてくるのは、上から目線の生徒を縛り付ける生徒指導に名を借りた強制でしかない。
強制からは何も生まれてこない。
話し合うという姿勢が欠落しているように思えてならない。
驚いたことに、都立高校の6割が『地毛証明書』の存在を認めているという事実だ。
「横並び」だ。おそらく、こんなバカバカしいことが横並びで実施されているということは、
校長会の情報公開等で『地毛証明書』の存在を知り、学校間に広がって行ったのだろう。
証明書を必要としない高校も多い。
「染色は禁止だが、信頼関係の中でやり取りしている」
「自主性に任せている」
「教師は話し合いで説得するのが本来の生徒指導だ」
生徒指導の名を借りた「強制」で生徒は心を開かないことを教育者は認識してほしい。
(2017.5.1記) (昨日の風 今日の風№72)
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