訪問介護が危ない
公的介護保険について
介護が必要な高齢者が少ない自己負担で介護サービスを得けられるよう、
社会全体で高齢者の介護を支える制度のこと。
40歳から加入が義務づけられ、その支払いは一生涯続きます。
65人を歳以上の人を「第一号被保険者」、
40歳~64歳の人を「2号被保険者」と区分しています。
介護保険の徴収方法と保険料
「2号被保険者」の場合、会社員の場合は健康保険料と併せて給与から介護
保険料を天引き、国民健康保険加入者は保険料と併せて徴収される。
「1号被保険者」の場合 年金から天引きされる。
保険料は「1号被保険者」の場合13段階の収入に応じて異なるが、
平均保険料は年額74,115円になります。
これだけの保険料を私たちは収入から生涯にわたって払い続けます。
訪問介護について
上記のように介護保険制度のサービスは、
国民からの介護保険料や公費を財源として、
在宅介護の必要な人たちの生活を支えることになり、
訪問介護は在宅介護に欠かせないサービスのひとつになります。
訪問介護の3つのサービス
生活援助 | 調理や洗濯、掃除などの家事援助 |
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身体介護 | 要介護者の身体に直接触れて行う入浴や排泄、食事、更衣などの介助 |
通院等乗降介助 | 通院等を目的とした車両への乗車・降車の介助、移動介助、受診の手続きなど |
以上のサービスがあり、それぞれのサービスにはヘルパーさんなどができることとできないことがあり、規定外のサービスはできません。
それぞれのサービスに細かいサービスの規定がありますが、
それを述べることは、この記事の本意ではないので割愛します。
ここからが本題です。
訪問介護の現実
在宅の高齢者が、自宅で生活できなくなる危機的状況が、
地方の過疎化と共に進行しています。
高齢者の生活を支える訪問介護事業所が休止や廃止に追い込まれ、
サービスの空白地帯が広がっています。
厚生労働省が公表した事業所一覧を参照すれば、
事業所ゼロの自治体は97町村
事業所が1つしかない自治体は277市町村
これは訪問介護の危機的状況を示しています。
大手事業所や都市部の事業所は比較的安定した運営を
続けることができますが、
山間部や過疎地などは介護者が点在する家を一軒一軒まわなければならず、
非効率であり、訪問介護は距離換算方式を認めていないので、
どんなに離れた過疎化を廻っても介護報酬は同じになり、
赤字事業になってしまう。
事業所の撤退などの増加は、人手不足、非効率、など小規模事業所などが、
撤退や倒産に追い込まれています。
さらに2024年4月から介護報酬が約2%値下げになっていることも、
大きな要因です。
要介護状態になっても住み慣れた地域で暮らせるように国は
「地域包括ケアシステム」政策の一環として介護や医療、
生活支援をバックアップしてきました。
しかし、その中心を担う訪問介護が地方で成り立たず、
システムが崩壊しつつあると専門家は告発しています。
村で唯一の訪問介護事業所が3年前から営業中止
山形県○○村で、高齢者約1千二百人の暮らす村。
雪深い村内の一部地域では冬になると隣接自治体の事業所も入れず、
訪問介護の提供ができない。
高齢者7千人に事業所ゼロ
茨城県○○町は高齢者人口7千人に対して訪問介護事業所がゼロです。
全国平均はおおむね高齢者1千人に対して1事業所ですから、
圧倒的に不足しいます。
長時間移動でも報酬増えず事業所が廃止に
北海道○○町 昨年3月、たった一つあった訪問介護事業所が廃止した。
この町は高齢者人口が3400人弱ですから、3事業所が必要なのですが、
たった一つあった事業所が廃止してしまいました。
訪問の移動時間が長く1日に何軒も回れず、
どれだけ移動に時間がかかっても報酬は同じです。
厚生労働省は介護職の待遇改善として、
報酬の加算を増やしてきたと言いますが、
単に報酬の加算だけでは解決できません。
職場環境の改善や報酬の加算は抜本的な改善でしかない。
大切な「やりがい感」があるかどうかが、
キーポイントになるのではないだろうか。
参考資料: しんぶん赤旗日曜版(8/18号)
厚生労働省 訪問介護資料
訪問介護に関するWEBニュース
(昨日の風 今日の風№141) (2024.08.17記)
親たちがかなりお世話になりました(今もなってしますが)ので、このサービスが受けられなくなったら自分たちの代は辛いなあ・・と怖くなります。。
結局大都市に住むしかなくなってしまいますよね・・🐻
人口減少(少子高齢化)、一極集中と過疎 地球温暖化、核の不安、ひきこもりと不登校、世界のどこかで火薬がくすぶり続ける。数え上げたらきりのない不安材料が山積。戦争なんかしているときじゃないのに、
このままでは、生物を制覇し生態系の頂点に立った人類はまもなく近い将来に、人類絶滅の危機を乗り越えることがず、滅びの道を歩んで行ってしまうのではないかとまじめに思っています。