新潟県知事選 泉田知事立候補撤退(4)
番外編(2) インタビュー
朝日新聞のインタビューに応じて、撤退の理由を次のように答える。
撤退の理由は、改めて地元紙・新潟日報の報道姿勢を挙げ、自分が退くことで「原子力防災を選挙の争点に」戻したい、と述べる。
自分が立候補者だと船の問題ばかりが選挙の争点になる危惧があるから、「原子力防災を争点化したうえで選ばれる知事が誕生して欲しい」と述べている。
なんだかこじつけみたいで、ますます真意がわからなくなってきます。撤退することにより「原子力防災を争点化する」といっているが、泉田氏が撤退したら、原子力防災は争点になるどころか、うやむやのうちに再稼働への道を進むことになりかねません。
鹿児島県・川内原発や愛媛県・伊方原発が問題を残したまま見切り発車の再稼働をする流れの中で、
「東電福島第一原発事故の検証が先だ」
と孤軍奮闘してきた。また、
「(原発の新規制基準は)国際水準に達していない」と批判し、重大事故時の住民避難についても、「新潟の場合、どうやって約44万人が2時間で避難できるのか」
と国の指針に疑問を呈した。
県内の一部有権者や市民団体から『知事選撤退の撤回』を求める声があるが、泉田氏は翻意を否定している。
泉田知事を取りまく政治環境の変化が撤退の大きな原因ではないか。
2004年の初当選時 → 自民・公明の推薦を受け、6人が立候補する激戦を制覇して当選。
前回2012年 → 民主、自民、生活、公明、社民の5党の推薦を受け、県議会もほぼ「知事与党」体
制だった。
今回は、どの政党からも推薦されていなかった。
多選への批判に加え、
原発再稼働や新潟水俣病への対応などで国に反発する姿勢に、
一部の県議や市町村長から不満の声が上がり、
初当選から推薦してきた自民の県連は知事派と反知事派に分かれている。
前回にも書いたが、政治や経済界、東電などの大きな力に流されそうな泉田氏の姿が見えてくる。
前東海村村長に続いて、原発政策に批判的な政治家がまたひとり消えていくのはさみしい。
(2016.9.10記)
(昨日の風 今日の風 №46)
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