新潟県知事選・泉田知事立候補撤退(3) 番外編
地元紙・新潟日報との対立を立候補撤退の理由に上げているが、
メディアとの対立を理由に撤退を決めた事例は聞いたことがない。
前回の(2)のブログでは、原発問題が根底にあるのではないかということを書いた。
泉田裕彦知事は、東電柏崎刈羽原発が立地する新潟県で、再稼働に慎重な姿勢を貫いてきた。
そのことについて地元紙や産経新聞などは冷ややかに見ている部分がある。
産経新聞は9月2日付の「主張」の中で次のように述べている。
泉田氏は東京電力福島第一原発事故を受け、県内の柏崎刈羽原発の再稼働に厳しい条件を付けてきた。原発の安全確保は当然だが、東電と建設的な話し合いをしないなど、その姿勢を疑問視する声は経済界から強く挙がっていた。
県知事は、原発が立地する自治体の活性化を含め、県全体に視野を広げて多角的に行政運営する政務がある。
言い分はよく理解できる。
しかし、原発問題や基地問題など利権がらみの巨大な資金が絡み、
経済や雇用問題が深くかかわる問題は、曖昧な姿勢で行政を進めようとすると、
必ず対立の論争になり、一歩譲歩すれば、外堀を埋められ、石垣を一つ外されなし崩しになってしまう。
それを防ぐためには、揺らぎのない決意と信念が必要となる。
ひとりの人間が、経済界や原子力ムラ等の大きな力に対抗するには限界がある。
手を変え品を変えて切り崩しにかかり、見えない力が大きなストレスとなって首長を襲ってくる。
挙句の果てに、4年に一度の選挙では、トップの首のすげ替えに総力を結集して挑んでくる。
長い間の攻撃に耐え、意欲を持って政治を司ることには、限界がある。
こうした環境に泉田氏が長い間さらされていたとしたら………。
「東電福島第一原発事故の検証が先」との姿勢を続けていた泉田知事は、再稼働を止める「最期のとりで」と期待されていた。
泉田氏が立候補を取りやめてしまえば、再稼働の論議がなされないのではないかという懸念がある。
(昨日の風 今日の風№45)
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