実験考古学 3万年前の草舟(3) 自力では到着できなかった
(つれづれに……心もよう№40)
約3万年前に人類が沖縄に渡ってきた。
台湾から沖縄にむけて、100㌔を超える航海だ。
どのようにして彼らは海を渡ったのか。
17日早朝、約75㌔離れた与那国島を出航し、西表島に向かった草舟2隻。
約28時間の航海の末、目的地の西表島に到着した。
途中、潮に流され、自力で方向を修正できなくなり、
一時伴走船に全員が乗り移り、安全面に配慮し夜間航行もやめた。
結局28時間の航行時間のうち、人力航行は約12時間だった。
チーム代表の海部陽介・国立科学博物館グループ長は、
「計画はうまくいかなかった。祖先の謎を解きたいと思っていたが、今回の実験で謎が深まってしまった」
韓国と沖縄間を流れる「海流」を彼らはどのようにして超えて来たのか。
食料は小さな草舟に積むことができたのか。
危険を冒し、慣れた土地の安全な環境を捨てて、日本に来た理由は何か。
謎は深まるばかりだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます