新宿ゴールデン街火災
「新宿・みなとまち」の風景
4月12日、歌舞伎町1丁目、
「新宿ゴールデン街」で火災が発生して複数の店舗が入る4棟が焼けた。
古い木造長屋にバーなどの小規模店が入る飲食店の密集地帯だ。
戦後の闇市に始まり、「青線地帯」と称された無許可の売春施設などがあった。
1958年・売春防止法施行により、
飲み屋等の飲食店が密集する地域に生まれ変わり、
「新宿ゴールデン街」と称するようになった。
いかがわしい店もあったが、学生だった私は、
先輩に誘われ、界隈を徘徊した記憶がある。
ジャーナリスト、編集者、作家等あるいはその卵たちが集まるというバーの雰囲気に酔いしれた
青春時代だった。
しかし、青春や人生を謳歌する場所でもある3坪~4.5坪の小さなお店は、
これらの人たちとは全く違う人たちのよりどころとしての場所でもあった。
雑多な人たちで賑わうゴールデン街は、船の代わりに人と人が行き交う港町の雰囲気がある。
人生という船に乗り遅れ、彷徨(さまよ)い、難破船のように漂い、
或いは座礁して身動きできない人たちの集まる場所でもあった。
はぐれ者たちが生きる辛さ/ 忘れて酒を酌み交わす町/
人を押しのけて生きてゆくより/安い酒に酔いたいね/
この酒場に来れば、安心して酒に酔える仲間たちに逢える。
競争から脱落したのではなく、
時に寂しいけれど自分に無理強いしない人生を選ぶ。
金はないが、心のやさしさが彼らを繋いでいく。
気が向けばふらりと旅にも出ていく。
だが、やっぱりこの街に集う仲間たちが懐かしくなる。
新宿はみなと町/旅に出たやつも流れ者もいつかはふらりと舞い戻る町/
生きていくことはうまくなくても/どこか優しい仲間たち/
安心して付き合える仲間のいる町。
青春はあこがれや、希望が混在し、
ドロップアウトした生活にもあこがれ、
アウトローの世界にも興味を示す。
金のない貧乏暮らしを自慢し、
アルバイトにはいかがわしい店のボーイをやったり、
色鉛筆を耳に挟み、一端(いっぱし)の勝負師を気取り、競馬競輪場に通った日々。
若さゆえの冒険を久々に思いたさせた「新宿ゴールデン街」の火災だった。
文中引用の歌詞は、麻生香太郎作詞の「新宿・みなと町」。森進一が1979年から80年にかけて歌っていました。
(2016.5.1記) (つれづれに…心もよう№35)
どこかで聞いたような文字だな~と読んでました。
昔 ちあきなおみさんの 赤とんぼ でしたっけ?
なんか、心の内を読み取ってくれるお店が少なくなって
寂しい気もしますが…
オバマ大統領も被爆地、広島に訪問なさいますよね。
「村いちばんのさくらの木」胸がジーンときました。
ちあきなおみさんも大好きな歌手のひとりです。
しみじみと「あかとんぼ」いいてすね。
昔、行きつけの小さなバーで、ジュークボックスから流れてくる「嘘」を聴いて何度も涙ぐんでいる女性がいました。一つ置いたカウンターの止まり木で私は、彼女にどんなドラマがあったのか、とても気になったことを覚えています。
戦争児童文学では「おかあさんの木」も泣かせます。鈴木京香の主演で映画化されました。
カテゴリー映画で詳しく書かせていただきました。また読書案内でもアップしています。
カテゴリー読書案内で「すずかけ通三丁目」。これもいいですよ。
今日は、ご訪問ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。