繁栄の次に来るものは…
地球が汚染されていく
限られた地球資源を有効に利用しなければ、
やがて資源は枯渇し、私たちが築いてきた社会は崩壊してしまう。
特に、エネルギー政策をおろそかにすれば、
経済は混乱し、国家の存続さえ脅かされてしまう。
エネルギ問題を解決できず、崩壊してしまった国家や文明は多々あります。
最初のエネルギーは、石で作った鏃(やじり)や石斧だった。
獲物を捕らえ、調理するための道具であり、人間生活の便利度が飛躍的に発展した。
特に、火の利用は、ヒトの生活を以前とは比べ物にならないほど、発展させた。
前期旧石器時代、約150万年前の地層から私たちはその痕跡を見つけることができる。
更に時代が下がって、中期旧石器時代にはネアンデルタール人が登場し、
火を使用した炉の痕跡も発見されている。
約4万7600年前のことである。
エネルギーの功罪
エネルギーは人間社会にたくさんの文明の恩恵をもたらしたが、
一方では貧富の差を拡大していった。
富める者はエネルギーをより多く獲得し、貧者はエネルギー確保の道具になってしまう。
近代社会を迎え、火の持つエネルギーを熱に変換するする技術の発明発展は、
人間社会の利便性を飛躍的に拡大していった。
やがて、便利で快適な生活の果てに、
私たちは公害問題に直面する。
エネルギー政策をおろそかにした結果のツケが、
公害問題の毒牙が私たちの健康を蝕み始めた。
足尾鉱毒事件 水俣病 四日市公害 など私たちの生活環境は
山も海も川も大気も汚染された。
環境破壊はやがて地球温暖化や異常気象問題等地球規模で広がり始めている。
高みに達した私たちの社会が次に迎えるものは
繁栄が高みに達すれば、やがて衰退が始まり
文明社会のほころびが、大きな口をあけて待っている。
目に見えずらい歪みは、人間の心の在り方に変化を及ぼすでしょう。
戦争、難民を作り出してしまう国家の存在、影を潜めていた大国間の冷戦の火種がまた煙を上げ始めている。
経済大国にのし上がりロシアとアメリカの間ですきを窺う中国。
自国第一主義が蔓延していけば、世界の秩序は乱れ、平和は遠ざかっていきます。
私たちが第二次世界大戦の教訓から作り上げて来た協調と平和の礎が
今、とても脆くなっているように思います。
度重なる政治家や官僚の不祥事に始まり、
社会的影響力を持った企業の不祥事等々社会の歯車がどこかで狂い始めているような気がしてなりません。
子どもの社会も決して安心できるものではありません。
児童虐待 いじめ 指導死など、局面する危機に、子どもたちが信用して相談できる機関や
人間関係が希薄になってきているようです。
子どもは私たちが築いてきた社会を受け継ぎ、
住みよい社会を作る構成員として成長していけなければ
未来社会に希望を見出すことはできません。
今一番必要とし、やらなければいけないことは
子どもたちが「健全育成」出来るような社会の仕組みやルールを作ることだと思います。
こういうことを真剣に考え、行動している人が沢山いることも事実です。
しかし、現実には我が子第一主義、我が家第一主義の若いお母さんたちが増えているような気がします。
こうした人たちのDNAを受け継いで育った子どもたちはどんな大人になっていくのでしょう。
高齢者問題も大きな憂慮すべき問題です。
働く機会があれば、死ぬまで働かなければならない人も大勢存在する反面、
今まで一生懸命働いてきたのだからそのご褒美として、今後はただただ老後を楽しく豊かに過ごしたい。
と思う人も少なくはありません。
そういう考え方を、悪いとは言いませんが、何の躊躇もなく受け入れるには抵抗があります。
老後の生活環境が決して豊かで安心して過ごせる環境でないことは誰もが知っていることなのですが、
私たちは、目をふさぎ、耳をふさいで自分を取りまく現実から逃げている場合も少なくありません。
今と言う時代を生きるために、
私たちは近未来社会を人任せにするのではなく、
可能な限りは、自分の心で感じ、目で確かめて行動していかなければ
好い社会の実現は難しくなるのではないでしょうか。
狭い水槽の中で生きる金魚や、
庭の餌箱に集う雀の群れになってはいけないと思います。
昨夜降ったわずかばかりの雪が
陽の光にさらされて溶けていきます。
火の利用を知った人類には、火の周りで寛ぎ
少ない言葉で語り合った、厳しい自然の中で共に生きる
共生の時間があったはずです。
希薄になっていく現代社会の中で、
私たちは私たちの祖先が築いてきた豊かな精神世界を
振り返ってみる必要があるのかもしれません。
(2019.2.10) (昨日の風 今日の風№92)
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