ニュースの声(6) 『 国際幸福デー』だというのに……銃声鳴りやまず
(1) 35万人孤立 市街戦激化(朝日新聞朝刊2022.3/20)
今日15日は国連が定めた『国際幸福デー』だ。
だというのに、ウクライナ南東部マリウポリは、ロシア軍に包囲され、
電気や水道が断たれたまま、35万人以上が孤立し戦闘に巻き込まれている。
市長は言った。
「戦車やマシンガンでの攻撃が続いている。戦闘が起きていない場所はほとんどない」
ウクライナ軍は18日、ロシア側から降伏を求められたが、拒否した。
副市長の言葉は、緊迫感を持って響いてくる。
「人々は水も食糧もなく死んでいる。この後の数日で、数百から数千人の死者が出るだろう」
米戦争研究所は2日次のようなコメントを発表した。
「民間施設を破壊し、市民を殺害して人道的な大惨事を引き起こすことで降伏させるのは、
ロシア軍が(内戦下の)シリアで繰り返してきた手法だ」
(2) ウクライナ南東部港湾都市マリウポリ続報
400人避難の学校爆撃 ロシア軍は住民を連行した。(朝日新聞朝刊2022.3/21)
住民400人が避難している芸術学校が19日ロシア軍に爆撃された。
16日に空爆された劇場と同様、多数の避難者ががれきの下敷きになっている。
またしても無差別の爆撃だ。
思うように戦績の上がらないロシア軍に焦りが見えてきた。
だから、結果を急いでいる。攻撃は激しくなり、戦場は拡大していく。
ロシア国防省は極超音速ミサイル「キンジャル」によって、
燃料貯蔵施設を破壊したと発表。
ウクライナ市当局発表(3/19) (朝日新聞朝刊2022.3/21)
千人以上の人の一部が、ロシア軍によってロシアに連れ去られたと発表。
収容施設に連れていかれ電話や身分証明書を調べられた後、一部がロシア
に移送された。住民はウクライナのパスポートを取り上げられているという。
ボイチェンコ市長は非難した。
「21世紀に人々が無理やりよその国に連行されるなど理解しがたい」
(3) ロシア マリウポリへ降伏要求
ウクライナは拒否。「人道回路を開け」と。(朝日新聞朝刊2022.3/22)
21日朝までに武器を捨てて降伏するように要求し、ウクライナ側はこれを拒否した。
ロシア国防省はウクライナ側が要求を受け入れれば、
兵士や住民が「人道回路」で避難できるようにすると提案した。
マリウポリの市長顧問は次のようにSNSで述べた。
「ロシア側に寝返るよう提案しているようだ。朝までに答えを出す時間が与えられた」
「くそ食らえだ」
一方、学校や幼稚園に被害を受けながら、ウクライのナゼレンスキー大統領は、
国を守ると言う姿勢を貫いている。
「独立国家として妥協できないことはある。領土の一体性であり我々の主権だ」
(20日米CNNの番組でプーチン氏との交渉に意欲を示しながらの発言)
(4) 「天声人語」氏は訴える。(朝日新聞朝刊2022.3/15)
非情な戦争で多くの市民が殺されている。いま私たちが直面するのは、
幸福を語る前提が大きく揺らぐ現実に外ならない。
いかなる言葉も空しくなりそうだが、
こんな悲しみに満ちた世界にいるからこそ、自問したい。
幸福とは何だろう。
(5) 一番厄介な独裁者(朝日新聞朝刊2022.3/15)
孤独な独裁者プーチン 独裁者はやがては滅び、消滅する。
國學院大學教授・大嶋氏は、独裁者の方は数種類あるという。
『軍部支配型』 軍が政権を握り、選挙は行われず、市民は弾圧を受ける。
冷戦の頃に多く存在した独裁者の型。
『支配政党型』 選挙を行い、形の上では民主主義だが、圧倒的優位な政党が国を支配し、
市民の自由度は低い。近年に多い独裁者の型。
この二つは曲がりなりにも、組織が国を支配しているので、新興政党など新しい主義の
政党の出現で独裁者の交代も可能である。
『個人支配型』 プーチン氏のように個人支配が強くなる、一番厄介な独裁者の型だ。
「周囲は指導者が言うことがすべて正しいと思うようになる。指導者への崇拝が起きて、
側近はイエスマンだらけ、反対派はつぶされ、変動が起きにくく体制がずっと続く」
しかし、歴史は何時の時代でも、やがて独裁者が滅亡し、
新しい体制が生まれてくることを、私たちは教訓として知っている。
抑圧された民衆の不安や不満が、大きなエネルギーとなって、
民衆の主義主張を取り入れ、新しい体制が生まれてくる。
(ニュースの声№6) (2022.03.23記)
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