第2部(2) 人の心と科学(1)
過去から現在へと途切れることなく営まれ、続いてきた文明は、
本来、人間の幸せを願って営まれ、高みへと発展してきたはずだ。
しかし、時として人間はとんでもない過ちを犯してしまい、
幸せのために築いてきた文明を根こそぎ失うはめになってしまう。
そこには、人間の存在そのものを否定してしまう危険で愚かな因子が潜んでいる。
モアイ像で有名なイースター島の文明は、ある日突然に崩壊したわけではない。
狭い土地の限られた資源(木材・畑等)と外界から閉ざされた閉鎖的環境の中で、
資源浪費型の極端な偶像崇拝の祭祀文化を、
競争的に発展させてしまった点にあるといわれている。
その結果、
エネルギー問題と人口問題を解決できなくなり、
文明の滅亡を迎えることになった。
エジプト文明の興亡もピラミッドの造営に求めることができる。
造営に必要な膨大な労働力と、
これらを養うための食糧、運搬資材としての木材、煮炊きをするための木材など、
富と権力によって環境は破壊され、豊かな森は伐採され、水源も枯渇していく。
ここでもまた、エネルギー問題と人口問題を解決できないために、
文明の衰退と崩壊を招いてしまった。
原発の原子炉もまた「安全神話」に守られた危険な偶像である。
化石燃料の枯渇や地球温暖化の救世主として、
原子力の平和利用が国家施策としてスタートしてから久しい。
(画像・@niftyニースから転載)
(つづく)
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