教育の機会均等 北欧フィンランド゛の教育
- 面積は日本よりやや小さめ。 面 積 フィンランド 約33万㎢ 日本 約37万㎢
- 人 口 約543万人 約1億2688万人
人口密度 16人/1㎢ 337人/1㎢
※ フィンランドの人口は、北海道の人口にほぼ近い。人口密度は日本の約1/21。
教育水準:
国際学力比較調査(PISA): 世界の15歳児童を対象に学力(学習到達度)を測定 フィラ ンドは安定的に上位を占めている。2004年の「数学リテラシ―(知識の活用能力)」、「読解リテラシー」、「科学リテラシー」、「問題解決能力」など総合で1位。
子どもが生まれると:
国からベビー服や布団、哺乳瓶や絵本などのセットが届き、17歳までの子ども全員に月1万3千円が支給される。大学はすべて国立で、通学手段、給食、教科書、学用品等すべて無償で提供される。
「できる子を伸ばすよりも学習に困難を抱かえた子に手厚い指導をする」。競走するよりも学ぶことの意味を理解させることに重点を置いている。にもかかわらず、授業時間数は先進30か国の中では最も少ない。
全ての子どもがわかるまでを基本に、学習に困難を生じている子供に対しては、特別支援教育によるケアが実施される。格差をなくし、どこでもいつでも学べる学校にして、学級内では学力差に応じて個別指導ができるようにし、その結果、国全体の学力差を最も小さくしながら国際的に学力を最も高くしている。
一学級は24人以下の少人数で、実際には20人以下の学級が多い。
なんともうらやましい、教育環境である。学力低下はゆとり教育にある、とか授業時間が少ないなどと、議論になるような日本の教育事情とは雲泥の差がある。教育委員会やPTAのご機嫌を取り、事なかれ主義に陥ってしまう校長(そうでない校長もいるが)。激務を抱え帰宅時間も遅い我が国の教師。一人一人の教師の努力は理解できるが、ゆとりのない教師に導かれる子どもたちは不幸だ。
高福祉・高負担を支える公共の精神を育む教育方針。教員の社会的地位、信頼の高さは、教職を最も優秀な人がつく職業にしている。全ての教師を大学院で養成し修士号取得を要請している国は、ヨーロッパの中でもフィンランドのみである。
教師の勤務時間は少なく、ほとんど授業時間のみなので、日本のように部活等授業時間以外に拘束される時間がないから、授業に多くの準備時間をさける。
教育の衰退や不平等は、国家の未来を暗くする。低所得の家庭の子どもが、経済的理由で進学を断念しなければならない(現在の奨学金制度は問題が多く、教育の機会均等という観点からすれば改善の余地がある。)現実は何とか改め、新しい制度を作ることが肝要だ。成績重点主義の教育も方向の転換が必要だ。競争社会の入り口で、学習に落ちこぼれ、挫折感を味わう子どもたちが、やがてドロップアウトしていくのは、教育の責任と認識すべきではないか。
出典:「学力世界一フィンランドの秘密」 「 2012年PISA 」「 競走が子どもの学力と幸せを奪う」
昨日の風 今日の風(№36) (2015.12.14記)
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