さよなら としまえん 燃えつきたあしたのジョー
(画像は「広告朝日」編集部公式Twitterより)
としまえん閉園の新聞広告(朝日新聞朝刊8/30)は、
当時一世を風靡した『あしたのジョー』のラストシーンです。
主人公の矢吹丈が世界チャンピオンのホセ・メンドーサと戦い終ったあと、
真っ白に燃えつきた場面です。
これが、としまえん閉園の新聞広告です。
「黙して語らず」という言葉がありますが、
なんとシンプルで大胆な閉園広告なのでしょう。
新聞の見開き前面を使用し、なにも語らないが、
矢吹丈のまっしぐらな生き方が懐かしい思い出のようによみがえってきます。
戦い終えて、全てを出し切った矢吹丈。
バンデージ をしたままの両手を両ひざの間にだらりと下げ、うなだれる矢吹丈 。
過酷な試合で、満身創痍。
だがうなだれた「あしたのジョー」の表情は、わずかに笑っている。
どこかで、「あしたのジョー」と「としまえん」の姿が
オーバーラップしてきます。
画面左上には、『Thanks.』。
画面右下には、『としまえん』。
さらに、
画面右上には、薄墨のインクで『Seibu Group でかける人を、ほほえむ人へ』という会社の
ロゴマークがあるだけ。
何も語らず、ただ一言。
『ありがとう』
ほぼ一世紀に渡り、子どもにも大人にも親しまれて、
常に時代の先端を走って来た「としまえん」。
今、その役割を終えて、
感謝の気持ちが十分に伝わる『Thanks.』です。
跡地は
新しく防災機能を持った公園と、
映画「ハリー・ポッター」のテーマパークとして生まれ変わります。
(昨日の風 今日の風№113) (2020.9.2記)
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