雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

映画「さまよう刃」を観て④ー③殺したいほど憎い

2010-10-20 08:33:26 | 映画
 ① 長峰が少年犯を仕留めた銃声。
   愛娘を殺され、生きる希望を失くした長峰にとって、
   少年犯を追いつめ
   警察の逮捕前に少年の命を奪うことによって
   娘の無念を晴らす。

   心情的には
   かなり長峰に同情的であり
   長峰の悔しさを共感し
   感情移入した結果が①を指示することになるのでしょう。

  少年犯のうちの一人をすでに殺している長峰もまた殺人犯として
  警察に追われる身である。

  二人目の少年犯を殺すことによって、
  本当に「無念」を晴らすことができるのか……
  ちょっと虚しい気持ちが残ります。

  殺伐とした長峰の心境に、
  救われないな…と私は思います。

  殺したいほどの憎しみが
  殺人という行為で終わってしまうには
  ちょっとせつない気がします。

  ②③のように長峰が警察の手によって死んでしまうことには  
  どうしても素直になれない心情があります。

  しかし、長峰もまた殺人犯であり
  心情的に許したとしても法治国家のもとでは
  許される行為ではありません。

  映画では③、原作では②ということになります。
  
  しかし、この物語はまだ終焉を迎えたわけではありません。
 
                          (つづく) 

    (友人・知人へのはがきをブログ用に編集して記載) 


  

  

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