個性的な表現者二人
一匹の火垂るの光飛んでいく縦横無尽野坂昭如 ……羽曳野市 玉田一成氏
歯に衣着せぬ物言いはときによって、周囲を驚かせ、場の雰囲気を壊してしまうこともあった。
野坂氏の胸中にあったのは、焼け跡闇市派としての「悲しみ」だったのではないか。
その悲しみが、「火垂るの墓」に結晶し「戦争童話集」に繋がっていったのでしょう。
徹夜して議論重ねし青春の日々のテーマの野坂昭如 ……安中市 鬼形輝雄氏
青春のほろ苦い思い出は、赤ちょうちんの一杯飲み屋から始まりました。
精いっぱい背伸びして、野坂を語り水木の「妖怪漫画」に酔いしれた充実した日々を思いだします。
シャイであり礼儀正しい人でした野坂氏悼む声に頷く ……町田市 冨山俊朗氏
意外と可愛くて優しい目が、いつもサングラスの奥から光っていました。
照れくささを隠すために、プレイボーイを自称しメディアの海を縦横無尽に泳ぎ回った。
「戦争は、勝った者にも負けた者にも何ももたらさない」といった野坂よ!
永遠の別れだ さようなら
水木逝き野坂が去りてホタル舞う闇へ消えゆく昭和九十年 ……小平市 作者名忘れました
青春時代に活躍した表現者たちがだんだん少なくなって少し寂しいです。
妖怪は平和裡に棲むと描き続け水木しげる逝く戦後七十年 ……北海道 斎藤洋子
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の住む現実世界は、なんと殺伐として危険に満ちていることか。
君たちが望んだ平和な世界が早く訪れるといい。
鬼太郎も目玉おやじもみんなさょうなら。
「ぬり壁」「一反木綿」「子泣き爺」「砂かけ婆」
愉快で楽しい妖怪たちよさらば!!
短歌は、朝日新聞の歌壇2016.1.11版から引用しました。
(2016.1.21記)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます