白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

北海道の秋サケ 胆振の秋サケ イカ サンマ サケよ!お前もか?

2012-11-13 15:16:51 | サケの観察

 ウヨロ川のサケの産卵 上流で活発に! に、

海では不漁が続いているらしく、近所のスーパーでは1匹千円チョットの価格では売られていますが、大手のスーパーには秋サケの姿がなく、チリ・ノルウェー産の養殖もの(通称サーモン)と、ロシア産ベニザケばかりです。と書きました。

その答え?が今日の北海道新聞に載りました。

秋サケ不漁、過去10年で最低の見通し 品薄、外国産より割高感(11/13 06:52)

道産秋サケが、今年も不漁が確実な情勢だ。道漁連(札幌)によると、定置網漁は最終盤を迎えているが、水揚げ量は現時点で10万トンに及ばず、過去10年で最低だった昨年を下回りそうだ。来遊数が少ない上、魚体が小ぶりなため。スーパーなどでは、品薄感などから道産秋サケは外国産と比べて割高感が鮮明となってきており、道産の消費離れを懸念する声も上がっている。

小さい見出しには“進む小型化 餌不足?”と書かれています。

下は、昨年迄のデータです。(道ぎょれん

平成24年秋さけ漁獲速報(旬報)(北海道庁)を地元胆振についてグラフ化してみました。

この付近では15日頃には漁を終えるようです。

北海道・全国ではどうなのだろうか?

 

これらのデータは「来遊数」なので、漁獲量ではもっと落ち込んでいるのだろう。

北海道大学の「市民フォーラム」海洋生態系と水産食資源のサステナビリティ科学

水産食資源と海洋生態系を守るために に於いて、

「水産食資源の確保と海洋生態系の保全」と題して、9月に白老でも講演して下さった、帰山先生が講演されています。

15~17頁に、「サケの環境収容力」という事が書かれています。

金魚鉢が大きければ大きいほど、たくさんのキンギョを飼うことができます。器の大きさが同じでも、酸素を大量に供給すると、また、程度にもよりますが、餌をほどよくたくさん与えると、より多くのキンギョを飼うことができます。このように、ある海洋に魚が住める器の大きさのことを、その生態系の環境収容力といいます。

サケ資源についても、生態系の変化の予測や現状把握を行い、その結果に応じて管理や利用方法を柔軟に見直す「順応的管理」行い、生態系の構造と機能を維持できる範囲内で自然資源の管理や利用を行う必要がある。という事をおっしゃているのだと理解します。

 品質管理の手法である、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善) のサイクルを絶え間なくやるという事に近い?

自然を対象にする場合、Check(測定・評価)がかなり重要(大変)になるのかもしれません。

進む小型化 餌不足?”は、北太平洋の環境収容力に余裕がなくなってきていることによるのかもしれない。(環境変化による餌不足・過大な放流数?)

今年極端な不漁だったのは、高い海水温により回帰ルートを阻まれた事もあるのだろうが、

「長期?低落傾向」は、環境変化による餌不足や、ほかの原因もあるらしい。

漁獲安定へ 水産試験場研究(朝日新聞デジタル> マイタウン> 北海道>)によると、

秋サケの回遊数には、稚魚が川から海に出た時期の沿岸海域の環境などが大きく影響するとされる。同試験場の調査では、この時期に海水温が低すぎると、稚魚が十分に動き回ることができず、結果的に栄養分が取れずに死滅する割合が高くなる。これが数年後のサケの回帰数を左右するというのだ。

白老沖での調査の写真もあります。

北海道が開いた「秋サケ資源対策会議(北海道議会議員 ささだ浩ブログ)では、ふ化場の施設や放流時期を問題にしているようです。

①   海道沿岸、沖合の海洋環境によること(春の沿岸水温が低いと帰来有数が少ない、秋の沖合水温が高い年は来遊数が少ない)

②   ふ化事業(稚魚放流時期と沿岸環境の問題、飼育施設の河川水・湧水の不足による稚魚の状態

資源対策として

①海域の海岸環境に合わせた適切な放流時期の見直し

②稚魚生産体制の見直し

がまとめられ、道は今後、・稚魚の放流時期や放流サイズなどについて、北海道さけ・ます人工ふ化放流計画策定方針を改正し、民間増殖団体との協議により、さけますふ化放流事業の見直しを進めるとともに、飼育施設の改善や漁病の未然防止対策など、試験研究機関と連携し必要に措置を講ずる考えです。

決め手が見つからない、手探り状態かもしれません。

日本人好みに合わせて養殖しているサーモンが問題に!

魚種別に見る水産資源の現状と問題/サケ(WWFジャパン)

弁当、おにぎりになくてはならないサケ そのロシアでの漁獲の実態が明らかに

―違法操業やルールなき漁業にさらされているベニザケ― (野性生物ニュース)

チリ南部におけるサケ・マス養殖に関する調査報告 佐久間智子(アジア太平洋資料センター・水産資源研究会) 

勝手に抜粋、要約

①   BSE や鳥インフルエンザの影響および世界の富裕消費者の健康志向などにより、

世界のサケ・マス需要は今後も増大し続け、それに応じてチリのサケ・マス養殖産業も拡大し続けるだろう。

②   1キロの養殖サケ・マスを生産するのに8.5kg のイワシ・カタクチイワシ・アジなどの漁業資源が浪費されている問題がある。今後も大量の漁業資源が養殖のための飼料に使われ続ければ、これら漁業資源は完全に枯渇してしまうだろう。イワシやアジをそのまま人間が消費すれば、養殖サケ・マスを消費した場合に比べて、単純に計算しても8.5 倍の人口が同量の魚を食べることができるはずであり、その分の資源が浪費されていると言える。

③   サケ・マス養殖によって、実際に海洋汚染が進んでいるという事実がある。

大規模漁業による漁業資源の破壊や地球温暖化の影響と共に、サケ・マス養殖産業による海洋汚染が広がった結果として、サケ・マス養殖場が存在する10 州の海域では実質的に漁業が成り立たなくなっている。

④   サケ・マス養殖場で相当量の殺虫剤や抗生物質を使用することが不可欠となっていることがある。使用できる薬品の種類や量は定められているが、行政による監視体制は企業に対する報告の義務付けと聞き取り調査に留まっており、立ち入り検査はほとんど行われていないという。(日本に輸出されたチリ産サケからも基準値を超えるオキシテトラサイクリンという抗生物質の残留が見つかっている。)

⑤   今後は、チリ産サケ・マスを地球の反対側で消費している私たち日本の市民として、この問題にどのような姿勢で取り組んでいくべきなのか、議論を深める必要がある。

今シーズン4匹目の白老産秋サケを食べ始めました。生サケは最後になるだろう。

北海道の秋鮭・いくらの美味しい食べ方

鮭を食べるならヘルシーな「天然物」をえらびましょう。(北海道ぎょれん)

北海道の鮭を食べ続けたい!!

コメント
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