白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

白老町ウヨロ川 元気に泳ぐ野生サケの稚魚 溶存鉄 イレスナイ川の今

2011-04-03 15:57:07 | サケの観察
今年も鮭の稚魚がみられる季節になりました 2011-03-01 以後、久しぶりにウヨロ川を歩いてきました。

孵化場が放流するイレスナイ川の上流では、野生のサケの稚魚が元気に泳いでいました。観察できる場所も中流域全体に広がっていました。
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ウヨロ川の野生サケ稚魚(1)   すばしっこくて見えないかもしれません。
ウヨロ川の野生サケ稚魚(2)
ウヨロ川の野生サケ稚魚(2)


稚魚がよく観察できるのはこんな場所です。
写真手前岸寄



写真奥 小さな湧水がある



野生のサケ稚魚が育つには、流れの緩やかな浅い場所が必要なのではないだろうか?
(流れの速い本流にもいるのかもしれませんが観察することは難しいです。)

ウヨロ川中流域にはこんな場所がまだ幾つか残っています。





私たちが、「かなけ」と呼ぶものだと思います。
調べると、「鉄分(カナケ):井水に溶解している溶存鉄のうち、水酸化第一・第二鉄・重炭酸第一鉄、硫酸第一鉄を除去します。原水は無色で、放置すると褐色の沈澱物を生じ、洗濯物を黄色くします。」と何かの広告に書いてありました。

今、「溶存鉄」が注目されているようです。

アムール・オホーツクプロジェクト
溶存鉄は、森林と湿原の存在に大きく依存していると書かれています。
オホーツクの豊かな海は、「巨大魚付林」アムール流域の森林と湿原に支えられているとういことなのでしょう。

海洋の生物生産を支える鉄 (久万健志(北海道大学大学院水産科学研究科)

海の森」再生に向けた新たなアプローチ (海の緑化研究会シンポジウム)

河畔林を巡る海と陸の間の物質循環

人間は自然の恵みを頂いて生きるしかないのです。人間も自然の一部であると考える方が良いでしょう。
河畔林や河川敷・周辺の森と共に、谷地を大切にすべきだと思います。

次に、昨年末から心配している事。
先ずこの動画を見てください。
ウヨロ川サケの遡上VOL.2  を先ず見てください。
この場所は、レスナイ川からウヨロ川本流へ合流する場所です。
イレスナイ川の上流には孵化場があります。ジャンプして遡上しようと試みているサケは、数年前に孵化場から放流され、このイレスナイ川を下ったサケです。生まれた故郷で産卵して子孫を残そうとしているのです。しかし、このイレスナイ川は放流する事を目的に作られた人工の川です。幸いな事に、合流点が「滝」のようになっており、大雨で増水したときに僅かに遡上するだけです。
上の動画の孵化場で生まれたサケも、卵が熟して産しなければならない状態になると、この付近のウヨロ川本流で産卵するのだろうと考えられます。
ところが、困った事が起きてしまいました。イレスナイ川の現状の写真です。

写真奥の岸が大きくえぐられ、「滝」が無くなってしまったのです。針金でつながったコンクリートのプレートの下や向こう側に水が潜り込んでいます。今後、「ざる」状になり全ての水が下を流れる事になると、放流された稚魚が「ざる」で掬い取られ死んでしまう事も無いとは言い切れません。もうすぐ孵化場から稚魚の放流が始まると思います。

今年の秋、孵化場育ちの多くのサケがこのイレスナイ川を遡上するのではないかと予想しています。この川には産卵に適した場所は殆どありません。遡上しても「子孫を残すことなく無駄死に」してしまうでのす。命をつなぐことができなかった多くのサケの死骸は見るに忍びないことであり、訪れた方々になんとお話すれば良いのか今から悩んでいます。
私が最も紹介したい市村政樹さんのお話、 サケの死がい 生き物たちの命の綱に(標津サーモン科学館学芸員、市村政樹さんのレポートより サーモンミュージアム
は可能なのではありますが…

 参考:ウヨロ川とイレスナイ川付近の地図

昨年秋に遡上したサケはこれしか残っていません。


森と川と海の生き物のつながり (北海道立林業試験場 長坂 晶子)

物質循環から見た森と川のつながり(北海道立林業試験場 長坂 晶子)




牧場の近くのハルニレが急いで花芽を膨らませているようです。



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