1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

かさもこ

2005年08月30日 | Weblog
神戸音楽祭で改めて感じたのは、ドイツで学んでいる方々(ドイツ人、ということではありません)と日本流とでは、きれいだと思う音がかなり違うのではないかということです。

ドイツ流は、とにかく小さい音が小さい。
ピックが擦れる音しか聴こえないほど、小さく弾きます。そして、フォルテッシモくらいのところでも盛大に弾かないようです。抑制の効いたフォルテ。
そして厚みのあるピック(を使っている様子)からは、丸みのある、もっこりした音が出てきます。
ピックのカサカサ音、そしてもっこりした響き。
「かさもこ奏法」と勝手に名付けました。

日本は(と、ひとくくりにはできないけれど、ドイツ流と比較すれば)、直接的に音が前に出てくるようです。
べっこうピックを使っていなくても、ドイツ流よりはキラキラした響く音色です。

片岡先生にそんな話をして、ドイツの人たちは日本人の演奏(音)をどう思っているんだろうかと伺ったら、
「いらない音(倍音)が響きすぎて、きれいではない」
と思われてるらしいです。

ドイツと日本以外ではどうなんだ、というと、初日にイタリア人奏者の演奏を聴きました。
この日に限ってのことかもしれませんが、彼はやる気がないように弾いていたので(普段がどんな演奏なのかわかりません。この日の演奏のことだけ言えば、私はそう感じました)、音色の問題を比較できません。とにかくあっさり弾いていました。

ロシア人もスペイン人も、マンドリンのためにドイツに留学しているということは、やはりドイツ流がマンドリンの本流ということなんでしょうか。

休憩時間に、吉田剛士さんに「留学先をドイツに決めた理由」を伺ったら、イタリアは卒業までに長い年数(確か7年)かかるから、ということでした。別の理由としては、川口先生が留学した先でもあったから、とのこと。

これからは日本も「かさもこ奏法」が広まるでしょうか。
マンドリンというと、ソロよりもオケをやっている人が多いので、奏法や音色についてあまりつきつめて考える人は少ないかな・・・。

今日は音色のことだけ書きました。
歌心とか、技術(たとえば速弾き)とか、そういうことはまた別の問題です。
コメント (10)
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