スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

菊花賞&第三部定理九

2008-10-26 19:23:21 | 中央競馬
 クラシックラストの菊花賞。今年は皐月賞馬もダービー馬も不在で争われました。
 逃げ宣言をしていたアグネススターチが先手を奪ったのですが,ノットアローンが折り合いを欠きながら前に。1周目の4コーナーなど大きく外を回していましたが,直線に入ってこちらの逃げに。一旦は3番手以降がかなり離れました。最初の1000メートルは58秒8。これはハイペース。
 ノットアローンは2周目の向正面では後退。アグネススターチが先頭に立ちましたが,やはり折り合いを欠き気味であったスマイルジャックやナムラクレセントなどが続きました。オウケンブルースリはこの辺りで外をぐんぐんと進出。4コーナーでは早くも先頭に立とうかという勢い。
 直線に入り,まずはスマイルジャックの内に進路を取ったマイネルチャールズが先頭に出たように見えましたが,それ以後の伸びを欠き,オウケンブルースリが先頭に。すぐ内からフローテーションが伸びてきましたが,迫られるとまた突き放すという感じでオウケンブルースリが優勝。フローテーションが2着で3着はナムラクレセント。
 優勝したオウケンブルースリはこれが重賞初制覇となる大レース優勝。デビューが今年の4月と遅く,ダービーの翌週に3戦目で初勝利を上げたことを思えば驚異的な成長力。確かな末脚が最大の武器で,無事ならトップクラスの馬として今後も活躍してくれるのではないかと思います。父はジャングルポケット
 騎乗した内田博幸騎手は6月の宝塚記念以来の大レース優勝で,菊花賞はここが初騎乗での制覇。管理する音無秀孝調教師は昨年4月の皐月賞以来の大レース優勝。こちらも菊花賞は初制覇です。
 日本の馬名はカタカナで9文字以内という規制があるので仕方ない面もありますが,明らかにことば足らずと感じられる名前である点は残念です。
 2着のフローテーションは母の父がリアルシャダイというのが気になっていました。渡辺明竜王先月の段階からこの馬の名前をあげていました。

 善と悪が認識されるものであるということは,さらに第一義的な意味と異なる複雑な意味をもたらすことになります。ただ現実的には,人間の精神による事物の認識というのは,十全な観念である場合と混乱した観念である場合の両方を含みます。そこで善悪の認識に関しては,人間の精神が事物を十全に認識しようと混乱して認識しようと,認識されるものとしての結論は同じことになるということをひとまず先に示しておきたいので,ここで第三部定理九を援用しておくことにします。
 「精神は明瞭判然たる観念を有する限りにおいても,混乱した観念を有する限りにおいても,ある無限定な持続の間,自己の有に固執しようと努め,かつこの自己の努力を意識している」。
 多くの意味を含む定理ですが,現在の考察との関連では,第三部定理七で示されていることを人間の精神に適用する場合には,この人間の精神が十全な観念を有していようと混乱した観念を有していようと同様に妥当すると理解しておくだけで十分です。
 このことから理解できることは,人間がある混乱した観念を認識することによって,その本性の完全性が移行する,つまり喜びを感じたり悲しみを感じたりすることというのはあり得るわけですので,その際には,もしも大なる完全性に移行するなら,この混乱した観念の対象を善とみなすでしょうし,逆に小なる完全性に移行するなら,この観念の対象を悪とみなすであろうということです。すなわち,ある人間の精神による事物の善悪の認識に関しては,その認識が十全であるか混乱しているか,いい換えればそれが真であるのか偽であるのかということは,実は関係がないということになるのです。善悪の第一義的な意味というのは,あくまでも十全な観念という観点から把握されるものですので,この場合にも,第一義的な善悪の認識が,覆される可能性が含まれているということが理解できると思います。
コメント
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