スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

南部杯&同様の事例

2008-10-13 19:07:43 | 地方競馬
 秋のダート大レース路線の幕開けを告げる南部杯(動画)。
 主張してコンゴウリキシオーの逃げ。キングスゾーンが外の2番手に控え,メイショウバトラー,ブルーコンコルド,ワイルドワンダーと,上位人気の馬たちが前を占めました。前半の800メートルは48秒4でこれはミドルペース。
 3コーナーを過ぎるとキングスゾーンが先頭に立ち,コンゴウリキシオーは後退。さらに外からメイショウバトラーがいい手応えでこれを交わしていき,4コーナーでは後ろとの差が少し開きました。しかし外から追ってきたブルーコンコルドが長い直線でこれを捕えて優勝。メイショウバトラーが2着で,ワイルドワンダーがキングスゾーンを捕えて3着でした。
 優勝したブルーコンコルドは昨年の南部杯以来の勝利。一昨年も勝っていますのでこれで三連覇。大レースはこれで7勝目。父はフサイチコンコルド,母系はアストニシメントエベレストの分枝。やはりこの距離がベストで,相手関係も少し恵まれていました。とはいえ8歳の秋にして大きな衰えを見せずにこうして大レースを勝つというのは驚異的ではあります。
 鞍上は幸英明騎手で,3月の高松宮記念以来の大レース勝ち。馬と共にこのレース三連覇で3勝目。管理するのは服部利之調教師で,こちらは昨年のこのレース以来の大レース制覇。やはり三連覇で3勝目となっています。

 こうなってきますともはや今回の考察の補足としての範疇すらも逸脱するということになってしまうのですが,これと同様の事例というものは僕は数多く散見されると思っています。ちょうどいい機会ですから,それについても少し申し添えておくことにします。
 僕の祖母は社会的には身体障害者と規定されています。また,僕の妹は社会的には知的障害者といわれます。そして僕の祖母はたとえば僕のようなスピードで歩くことはできませんし,僕の妹は僕のようにたとえばごく簡単な暗算をすることはできません。しかしだからといって,僕の身体あるいは精神が,僕の祖母の身体や僕の妹の精神より完全であるのかといえば,そういうわけではないのです。なぜなら僕は僕の本性によってなし得ることをなすのですが,同様に祖母は祖母の本性がなし得ることをなしているのであり,妹もまた妹の本性がなし得ることをなしていて,この点では僕も祖母も妹もまったく同じです。そしてこの本性によってなし得ることをなすことが現実的な力というものであり,この力が各々の完全性を規定するのだからです。つまり僕も祖母も妹も,各々の本性において完全であるということになるのです。
 これはあくまでも哲学的考察なので,ここで社会学的な論争を挑む気はありませんが,障害者というのはラベリングの一種ではないかとさえ僕は思います。排尿を我慢できる程度が著しく低い人間が病気であると規定される場合もそうなのですが,こうした事柄が人間の完全性を規定すると考えることは,本来は個人の本性として考えられるべき力というものを,人間一般の本性に属するような力として誤って理解することから生じているといえると思います。本性の中に似たような部分を多く含むものが完全であり,そうでないものが不完全というわけではないのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする