スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

埼玉栄冠賞&善悪の認識

2008-10-15 18:58:50 | 地方競馬
 第18回埼玉栄冠賞というレースは初めて行われました。これは昨年までの埼玉新聞杯が改称されたものだからです。
 先行争いも予想されましたが,ナイキアディライトがハナに立つと外の各馬はわりと早めに控えました。エスプリベン,デスモゾーム,クレイアートビュン,ナイキデラックスといったあたりが入れ替わりながら2番手集団を形成。ペース自体はハイペースの範疇と思います。
 1番人気のデスモゾームは2周目の向正面で大きく後退。直線に入るとエスプリベンがナイキアディライトを交わして先頭に出ましたがこれは束の間。内を追走して外に出されたクレイアートビュンが一気に交わすとあとは差を広げる一方。4馬身差をつけての快勝になりました。エスプリベンが何とか2着に残り,最後尾の1頭前でレースをしていたサウンドサンデーが追込み,これにかなり迫っての3着になっています。
 優勝したクレイアートビュンは,7月のゴールドカップで2着になった後,自己条件を3戦取りこぼしていましたが,今日は鮮やかな勝利。これが8勝目で南関東重賞初制覇。どうでもいいことですが,これで8勝,2着8回,3着8回,4着以下も8回という綺麗な成績になりました。今日はメンバーに恵まれたというか,ほかの馬の凡走にも助けられた感もあり,最後も自身が伸びたというよりはほかが止まったというところもあります。ただ,まだ4歳であり,成長の余地を残していると思われますので,今後も活躍の可能性は大いにあるでしょう。
 鞍上は大井の的場文男騎手で,先月の日本テレビ盃以来の重賞・南関東重賞制覇。意外にも埼玉新聞杯時代からこのレースは初優勝です。管理するのは浦和の小久保智調教師で,このレースというより南関東重賞自体が初優勝。浦和の馬は南関東ではほかに押され気味ですので,こうして南関東重賞の勝ち馬が出たことは喜ばしいことと思います。

 明日は女流王位戦五番勝負第二局。今回は北海道新聞による中継です。

 旭川ではエーデルワイス賞。ここは北海道勢3頭による争いが濃厚。順番は,アンペア◎,モエレオンリーワン○,リロ▲。あとはタッチブライト△。

 人間の実在性realitasすなわち完全性perfectioを維持しまた促進するものがその人間にとっての善bonumであり,逆にそれを阻害し排除するものがその人間にとっての悪malumであるということは,端的にいって,人間の完全性というものは,促進されたり阻害されたりすることがあるということを示しています。そこで人間による善の認識cognitioまた悪の認識というのは,こうした阻害および促進の認識と関係することになります。
 ところで,人間の完全性のこうした促進および阻害というのは,人間にとって感情affectusとして発現するというのがスピノザの哲学における基本的な考え方です。いうまでもなくその感情とは,第三部諸感情の定義二と第三部諸感情の定義三でそれぞれ定義されている,喜びlaetitiaという感情と悲しみtristitiaという感情です。ここでは完全性が移行transitioとして説明されていますが,大なる完全性へと移行する場合が促進されている場合で,小なる完全性へと移行する場合が阻害されている場合ということはいうまでもないでしょう。ただし,小なる完全性といわれていても,それはそれ自体でみるならばひとつの完全性に違いありませんから,それが大なる完全性よりも不完全であるということを,これ自体で示しているわけではありません。これは僕が完全性という価値観について考察して出した結論に合致しているといえるでしょう,
 僕が思うに,この移行というのは,価値観でいうならば,完全性の価値観ではなく,むしろ善悪の価値観に関係しているのです。すなわち,大なる完全性への移行,感情でいうところの喜びが善であり,小なる完全性への移行、つまり悲しみは悪であるということです。スピノザが第四部定理八で示しているように,僕たちが認識する善悪というのは,まずはこの自分自身の喜びの認識であり,また悲しみの認識であるということになるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする