静岡市で指された第8期女流王座戦五番勝負第三局。
清水市代女流六段の先手で里見香奈女流王座のごきげん中飛車。⑤①-Aから持久戦に。先手が5筋の位を取る代償に後手が3筋の歩を伸ばし,先手が3八に歩を受けるという展開になったのですが,この交換は先手の損の方が大きく,苦戦を招くことになりました。
後手が5一の角を上がった局面。ここで先手は☗8八玉と寄り☖3五銀☗7八金☖4六銀☗同角と進めたのですが,☖5八歩と打たれることになり,一層の悪化を招いたように思われます。
先手は☗2四歩☖同歩と突き捨てて☗5四歩と伸ばしましたが,あっさり☖5九歩成でと金を作られました。
第1図の時点でおそらく先手が苦戦なので,どう対応してもよくはならなかったと思いますが,実戦の対応はかなり拙い部類だったのではないでしょうか。総じていえば第1図のような局面になってしまったことが問題で,どの手が,というよりは,先手の大局観がよくなかった一局だったという印象です。
3連勝で里見王座が防衛。第3期,6期,7期に続く三連覇で4期目の女流王座です。
母は話をすることができない状況に至っていたわけですから,僕が聞かせたことを理解することができたのかどうかは分かりません。ただ,こちらから伝えておきたいことがあるのであれば,たとえこのような状況であっても,口に出しておくことは大事なことなのではないかと僕は思います。
木曜日に迎えに行ったのは,翌日が妹の歯科検診だったからです。指定歯科はみなと赤十字病院ですから,通院と見舞いを兼ねることが可能でした。ですから正確にいうと妹の夏休みは,13日の月曜日からだったのであり,10日の金曜日は通院のための休みでした。
8月10日,金曜日。午前5時半に病院から電話がありました。母の血圧が60台まで低下し,脈拍も弱くなっているので,すぐに病院に来るようにとの知らせでした。僕ひとりではなく妹もいましたから,起こした上で着替え等の準備もしなければなりません。なので少し時間が掛かるかもしれないと伝えました。
家を出ることができたのは午前5時50分でした。この時間ですし,また急がなければならないのですから,タクシーを探さなければなりません。そこで妹を連れて,広い道を根岸駅方面へと歩きました。僕の家から根岸駅に向かうということであればこれは遠回りになるのですが,近い道は狭く,タクシーが通る可能性はほぼありません。つまりタクシーが通り得る道の方を選択したということです。最悪の場合,そのまま根岸駅まで歩くことも視野に入れていました。駅まで行けばタクシー乗り場があり,そこからタクシーに乗ることができるからです。しかし,歩いているとすぐに空車のタクシーが来ましたので,さほど歩くことなく乗車することができました。
病院に到着したのは午前6時10分でした。この時間は正面玄関は開いていませんので,タクシードライバーは緊急用の入口の近くまで入ってくれました。こちらはただみなと赤十字病院まで行ってくださいと言っただけですが,この時間ですし,どういう事情であるのかを察してくれたのだと思います。
病室に入って母に呼び掛けました。この時点ではことばにはなりませんが声も出せましたし,目も開きました。
清水市代女流六段の先手で里見香奈女流王座のごきげん中飛車。⑤①-Aから持久戦に。先手が5筋の位を取る代償に後手が3筋の歩を伸ばし,先手が3八に歩を受けるという展開になったのですが,この交換は先手の損の方が大きく,苦戦を招くことになりました。
後手が5一の角を上がった局面。ここで先手は☗8八玉と寄り☖3五銀☗7八金☖4六銀☗同角と進めたのですが,☖5八歩と打たれることになり,一層の悪化を招いたように思われます。
先手は☗2四歩☖同歩と突き捨てて☗5四歩と伸ばしましたが,あっさり☖5九歩成でと金を作られました。
第1図の時点でおそらく先手が苦戦なので,どう対応してもよくはならなかったと思いますが,実戦の対応はかなり拙い部類だったのではないでしょうか。総じていえば第1図のような局面になってしまったことが問題で,どの手が,というよりは,先手の大局観がよくなかった一局だったという印象です。
3連勝で里見王座が防衛。第3期,6期,7期に続く三連覇で4期目の女流王座です。
母は話をすることができない状況に至っていたわけですから,僕が聞かせたことを理解することができたのかどうかは分かりません。ただ,こちらから伝えておきたいことがあるのであれば,たとえこのような状況であっても,口に出しておくことは大事なことなのではないかと僕は思います。
木曜日に迎えに行ったのは,翌日が妹の歯科検診だったからです。指定歯科はみなと赤十字病院ですから,通院と見舞いを兼ねることが可能でした。ですから正確にいうと妹の夏休みは,13日の月曜日からだったのであり,10日の金曜日は通院のための休みでした。
8月10日,金曜日。午前5時半に病院から電話がありました。母の血圧が60台まで低下し,脈拍も弱くなっているので,すぐに病院に来るようにとの知らせでした。僕ひとりではなく妹もいましたから,起こした上で着替え等の準備もしなければなりません。なので少し時間が掛かるかもしれないと伝えました。
家を出ることができたのは午前5時50分でした。この時間ですし,また急がなければならないのですから,タクシーを探さなければなりません。そこで妹を連れて,広い道を根岸駅方面へと歩きました。僕の家から根岸駅に向かうということであればこれは遠回りになるのですが,近い道は狭く,タクシーが通る可能性はほぼありません。つまりタクシーが通り得る道の方を選択したということです。最悪の場合,そのまま根岸駅まで歩くことも視野に入れていました。駅まで行けばタクシー乗り場があり,そこからタクシーに乗ることができるからです。しかし,歩いているとすぐに空車のタクシーが来ましたので,さほど歩くことなく乗車することができました。
病院に到着したのは午前6時10分でした。この時間は正面玄関は開いていませんので,タクシードライバーは緊急用の入口の近くまで入ってくれました。こちらはただみなと赤十字病院まで行ってくださいと言っただけですが,この時間ですし,どういう事情であるのかを察してくれたのだと思います。
病室に入って母に呼び掛けました。この時点ではことばにはなりませんが声も出せましたし,目も開きました。