スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

JT将棋日本シリーズプロ公式戦&おとり捜査

2024-11-26 19:21:53 | 将棋
 24日に東京ビッグサイトで指された第45回将棋日本シリーズの決勝。対戦成績は渡辺明九段が22勝,広瀬章人九段が16勝。
 抽選で選ばれた観客による振駒で広瀬九段の先手。角換わりを志向しましたが飛車先の歩を保留したので後手の渡辺九段が拒否。先手の腰掛銀に後手は雁木から右玉という戦型になりました。後手の模様がよい局面が続いていたと思われますが,先手も離されずについていったまま終盤戦に。
                            
 先手はここで☗7六玉と逃げて上部脱出を図りました。しかし☖7四銀☗同歩に☖4三角が厳しい王手となり,後手の勝ちに。
 ここは☗8八玉と下に逃げる手があったようです。☖7七歩と打たれてしまうのですが☗7九金と逃げておき,☖9五歩の攻めに☗6九金と寄る手があったようです。これは先手の勝ちとはいえなさそうですが,かなり有望な変化であったように思われます。
                           
 渡辺九段が優勝。2019年の日本シリーズ以来となる12回目の棋戦優勝。2014年2018年も優勝していて日本シリーズは4度目の優勝となりました。

 バチカン写本の解説の中に,この写本を所持していた人物が,ローマでおとり捜査のような手口に引っ掛かり,写本を巻き上げられてしまい,巻き上げた人物が危険思想の書と判断して異端審問の機関に寄贈したということが書かれていると吉田はいっています。吉田は一言でまとめるとそういわれているという主旨の書き方をしているので,実際はもっと詳しく書かれているのだと推測されます。
 『スピノザー読む人の肖像』の考察で示しておいたように,元々の写本の所持者はチルンハウスEhrenfried Walther von Tschirnhausで,巻き上げたのはステノNicola Stenoです。僕はその当時にこれを考察したときに,この経緯がどういうものであったのかということを推測しました。というのも,チルンハウスが所持していたバチカン写本がステノの手に渡るというのは,チルンハウスが自主的にステノにそれを渡すという場合から,ステノが略奪するという場合まで,幅広いケースが考えられるからです。解説の中に,おとり捜査のようなやり口でステノがチルンハウスから巻き上げたと書いてあるなら,何らかの根拠があってそのように書かれていると解するのが妥当なので,たぶんそれが歴史的事実なのだと思うのですが,僕はそれを読んでいませんから,どのような根拠の下にそう書かれているのかを知りませんし,そもそも本当にそのように書かれているかということも分かりません。もしかしたら可能性のひとつとしてそのように書かれていて,講義にあたって吉田がその可能性を選択したということもないわけではないのです。そもそも,このことが明確に分かる根拠があるとすれば,自身がバチカン写本を手にした経緯についてステノが何かを書き残していて,それが発見されたということ以外に僕には思い浮かびません。しかし僕の調査ではそういう事実が出てきていませんので,このおとり捜査説というのは,ひとつの可能性,しかしきわめて高い可能性としてそうであったというように僕はここではいっておきます。
 この事情についての推測もしてありますので,そのことはここでは繰り返しませんが,もしも考察するなら,考慮に入れなければならない事情についてはここでも改めていっておくことにします。

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