スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オーバルスプリント&偶然の根拠

2008-12-24 19:03:33 | 地方競馬
 オーバルスプリントという名称の南関東重賞が行われるのはこれが始めて。第19回となっているのは,テレビ埼玉杯が改称されたものだからです。
 先行争いの激化が予想されましたが,わりにすんなりとサミンバリオスが先頭に。これで隊列が決まったようにも感じたのですが,向正面でここで引退というナイキアディライトが強引に外から並びかけていきました。最初の600メートルは35秒2のハイペース。
 2頭の逃げ争いはナイキアディライトが先に脱落。上がってきたのはブローザウインドとトーセンラヴで,4コーナーではどうやらこの3頭による優勝争い。馬場の中央を突き抜けたトーセンラヴが優勝。ブローザウインドが2着。大外から追い上げたコアレスデジタルが,逃げたサミンバリオスを捕えて3着に入りました。
 優勝したトーセンラヴはJRAデビュー。3勝を上げて11月に浦和に移籍。ここが移籍3戦目で,南関東重賞というより南関東での初勝利。ここは強力メンバーともいえないでしょうし,さらにその中で斤量面でも恵まれていました。今後どの程度まで活躍できるのかとなると,正直なところ微妙な面もあるかと思います。母系はフロリースカップシラオキローズトウショウの分枝です。
 鞍上の水野貴史騎手は北関東で騎手デビュー。高崎競馬の廃止で浦和に移籍。南関東重賞はこれが初制覇になります。管理するのは浦和の小久保智調教師。このレースは初制覇ですが,浦和では注目すべき調教師でしょう。

 明日は兵庫ゴールドトロフィーです。中心はスマートファルコン◎。アルドラゴン○とリミットレスビッド▲が続き,メイショウバトラー△まで。

 そもそもスピノザは,自然のうちに生じることまた生じないことに関しては,もしもそれが生じるのであれば必然的に生じるのであって,逆に生じないならばそれは不可能であるから生じ得ないと考えます。これは第一部公理三からして,そうでなければならないといい得るでしょう。したがって偶然と可能ということについてはこれは自然のうちには認めず,すべては必然と不可能のどちらかであるということになります。
 これで考えれば,第二部定理四四系一で,偶然ということばをスピノザ自身が用いていること自体が,スピノザ自身の哲学に矛盾していると思われるかもしれませんが,別にそんなことはないと思います。なぜなら,すべてが必然であるか不可能であるかのどちらかであるということは,それを客観的に,すなわち観念として考えた場合には,十全な観念に対応するからです。いい換えれば,もしも僕たちの精神のうちにある十全な観念があるならば,僕たちはその十全な観念について,あるいはそこで観念されているような対象について,必然として認識するか不可能として認識するかのどちらかでしょう。逆にいえば,僕たちがあるものについて,それを偶然とか可能として認識するならば,それがどのような意味で偶然であろうと可能であろうと,それはすでに混乱した観念であるということを意味します。この系は混乱した観念である表象について言及していますから,偶然ということばが用いられていても,別にスピノザの哲学全体において一貫性を欠いているというわけではありません。
 このことから理解できるように,表象というのは常にこの偶然性や可能性,非確実性よりも広くわたる偶然性や可能性に満ちているということになるでしょう。そしてこのことも,人間の精神が事物を想像する際の,ひとつの根拠,あるいはもっといえば原因になるように僕は思うのです。
コメント
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