諭吉の「学問のススメ」には
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。
と書いてあるんだけど これは引用であって諭吉の見解ではなく 実語教という書物に基づいた「一般論としてそう言われますが」という前置きに過ぎないという
諭吉の見解は「とは言え世の中には階級格差があって 勉強しとけば高い階級を得られるから勉強しとけ」という話のくだりだそうな
まあ 「学問のススメ」だからな 学問さえ勧めときゃ諭吉は満足なんだろう
世間一般には あたかも諭吉が公平性や平等を説いたかのように引用されることが多いもんだから そう誤解しがちではある
まあ ほぼトリビアだけどな
また
世の中にむずかしき仕事もあり、やすき仕事もあり。そのむずかしき仕事をする者を身分重き人と名づけ
ともあるんだが 「むずかしき仕事」でありさえすれば「身分重き人」とは限らない
命懸けで毒ガス製造されても「身分の重き人」にはならんだろ
『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。
ともあるが
学びさえすれば賢くなるわけでもない
大量の知識をひけらかして大衆観念的に「頭が良さそう」に見えたとしても それが社会にとって役立つかどうかとは無関係である
大学合格率が高いだけで 実質的には何の発見も業績もない学習塾の講師風情が偉そうに「こうすれば頭が良くなる」などと称して著作の宣伝をすることも多いが
難関大学に受かったからといって人間性の保証になるわけでもなく 原発の危険性が放置されたのも 様々な大企業による粉飾決算も 学歴が高いだけのバカによってもたらされたものである
テロリストや通り魔の多くが学生時代に学力が高い傾向があるのも事実である
学問というものは ただ学ぶだけではなく 自ら問い考えることではじめて「学問」と言えるのであって バカみたいに「こうすれば頭が良くなる」的な話を鵜呑みにし バカみたいな話に唆されて大量の知識を「知っている」だけでは 「何も学ぼうともしないバカ」とさしたる違いはない
「東大に合格すれば 頭が良い」という短絡的な観念こそが バカへの第一歩でもある
Ende;