脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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くも膜下出血ー症状 その3 (脳出血型)

2008年05月29日 | くも膜下出血
通常、脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血となりますが(上図左)、脳動脈瘤が脳に埋もれて存在している場合には、出血が脳内や脳室(脳の中の水の部屋)だけに起きることがあります(上図右)。
脳内出血の場合には半身の麻痺などで発症しますので、専門病院でないと通常の脳出血と間違われることがあります。

くも膜下出血の症状の特徴をまとめますね。
1)突然の頭痛
2)意識障害(頭痛とともにこれが起きた時はきわめてくも膜下出血が疑わしい)
3)半身麻痺(比較的まれ)
4)髄膜刺激症状(出血後少し時間がたってから現れる)

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くも膜下出血ー症状 その2

2008年05月27日 | くも膜下出血
前回の症状の続きです。
最近くも膜下出血の見逃しが訴えられたという報道がありました。
この医師は「突然の頭痛で患者さんがCTを撮ってほしいと希望しているのに撮らなかった」ということです。
しかもこの記事に関して医師の掲示板で「突然の頭痛というだけでCTなんか普通は撮らない」とする医師が多かったのです。
とても驚きました。
皆さんの中には「医者はすべての病気に精通しているはず」と思われている方がおられるかもしれません。
しかし違うのです。
医者になりたての頃、研修医の頃を過ぎると、自分の専門分野以外は、だんだん疎くなるのです。
ですから頭の病気は頭の医者に、おなかの病気はおなかの医者に診てもらうのが一番いいのですよ!
医者が当てにならないのなら自分が勉強すればいいのですが、それにも対応してくれないとするとお手上げですね。(;;)

実は軽いくも膜下出血はCTでも見にくいのです。
専門医でないために見逃してしまうことがあります。
「突然の頭痛」は迷わず脳外科を受診してくださいね。

では重症の場合はどうでしょうか?
頭痛を訴えた後、意識障害のため急に倒れてしまいます。
一時的な意識障害の場合と、意識が戻ってこない場合があります。
またくも膜下出血の15%は即死すると言われていて、夜間に起きた場合などは原因不明とされてしまう場合があります。
怖いですね。
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くも膜下出血ー症状

2008年05月25日 | くも膜下出血
くも膜下出血ってどんな症状が出るのでしょうか?
まず一番多いのが頭痛です。
というと、自分もそうかもしれない!と心配になりますよね。
でも安心してください。ほとんどの頭痛は脳卒中ではありません。
この頭痛には特徴があるのです。
それは「突然」痛くなるということです。
突然も突然、何時何分に急に!と、時間を特定できる感じです。
朝起きたら何となく、というのはまず違います。

また頭痛がおきてしばらく経つと「髄膜刺激症状」が現れます。
頭を前に曲げてあごが胸につくかどうか、つけばオーケーです。
吐き気を伴うこともあります。

いずれにしろ、突然に起きた頭痛はすぐに救急病院を受診する必要があります。
たとえ頭痛以外は元気でも、病院にかかってください。
ただし脳外科のある病院ですよ!

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