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プラビックスとパナルジンの作用機序

2012年05月05日 | 脳卒中
アスピリンのライバルのうち、まずプラビックスとパナルジンという薬を紹介します。これらの薬もアスピリンと同様、血液中の血小板という成分が凝集(くっつき合うこと)を抑える作用があります。これにより血液が固まりにくくなり、脳梗塞の再発が減少するのです。

その作用を少し詳しく紹介します。
「各種抗血小板薬の作用機序」(4月24日)の図を参照してください。
まず血小板が凝集するには、ADPという物質による刺激が必要です。ADPは血小板の表面にあるADP受容体と呼ばれるタンパク質に結合して、血小板を凝集させるための連絡を出します。プラビックスとパナルジンは、このADP受容体の活性化を防ぐことで、血小板凝集を防ぐのです。

プラビックスやパナルジンは血小板凝集を抑制する作用が強く、血管内にステントなどの異物を留置する際には必須とされています。しかし、パナルジンには稀ながら重大な副作用(血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少症、肝機能障害など)が起こることがあります。ですからパナルジンを服用する人は、定期的に血液検査を受けなくてはいけません。この副作用を克服するために改良されたのがプラビックスなのです。プラビックスはパナルジンと効果はほぼ同じでありながら、副作用が少なく安全性が高いことが知られています。

以上、プラビックスとパナルジンの作用とその違いについて紹介させて頂きました。
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