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水頭症 その2

2013年03月20日 | くも膜下出血
水頭症の症状についてお話しします。
水頭症には2つのタイプがあります。
急性水頭症と慢性水頭症です。

急性水頭症は、水の流れ道が急に閉塞することで起こりますので、「閉塞性水頭症」とも呼ばれます。
急に水の流れが塞がれるので、脳室で産生される水の行き場がなくなり、頭の中の圧力が上がります。これを医学的に「頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)」と言います。
症状として、頭痛や嘔吐、視力低下などが起こります。

慢性水頭症はくも膜下出血や髄膜炎の後に起きてくるものを指します。
水の流れが徐々に悪くなって起こります。とは言っても流れ道はそれなりに残っているため「交通性水頭症」とも呼ばれます。また、くも膜下出血後の水頭症は「正常圧水頭症」と呼ばれます。
さて、このタイプには典型的な3つの症状があります。
1)物覚えが悪くなる
2)歩行障害
3)尿失禁
この3つです。この症状は認知症の症状に似ています。このためこのタイプの水頭症はうまく診断されず、「認知症」として治療されることが多いと言われています。

脳の症状というと、麻痺や言語障害が多いものですが、水頭症ではちょっと違った症状が出るのです。

          
コメント (2)
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