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RESCUE-Japan 研究開始!

2014年10月06日 | 脳梗塞
急性期脳梗塞に対する血管内治療は、このブログでも紹介しているように大変有望な治療法です。
しかし思ったほど全国に普及しません。なぜなのでしょうか?
それは2013年に発表された3つのランダム化比較試験で、その効果が証明されなかったからです。
早く血管が開通すれば良くなる患者さんが多いと考えられているのですが、実際には治療をしても良くならなかったり、かえって出血などが起きることもあるのです。

最近、新しいステント型機器や大口径の吸引器具が使用可能となり、血管の再開通率が上昇してきました。また時間を意識することも重要であることが分かってきました。こういったことを背景に欧米では複数の臨床試験が開始されています。
わが国においては人種も違いますしt-PAの量も違うため、独自に試験が必要です。このためRESCUE-Japan RCTというランダム化比較試験を開始しました。この試験は、すでに有効性が証明されているt-PA静注療法に加え、血管内治療を行うことが実際に効果があるかどうかを調べるものです。
一旦否定された治療法ですが、新たな器具を用いて迅速に治療すれば効果が証明出来るかもしれません。
そして、この治療の有効性が証明されれば全国、そして世界の多くの方が治療を受けられるようになるはずです。
全国50施設の同志とその証明に挑みます。応援、よろしくお願いします。

コメント (3)
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