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脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超える!

2021年12月14日 | 動脈瘤
先日の日本脳神経血管内治療学会で、脳動脈瘤治療件数、血管内治療が半数超えたことが報告されました!
これは日本脳神経外科学会が行っている症例登録事業によるもので、2020年の1年間に我が国で行われた脳動脈瘤治療のうち、血管内治療が1万5353件、クリッピング術が1万4341件となり(速報値)、血管内治療がクリッピング術を初めて上回りました。
私自身が血管内治療に取り組み始めたのが1994年ですので、それから27年。
破裂脳動脈瘤に対して開頭手術よりも血管内治療の方が良いという臨床試験(ISAT)の結果から20年近く経ちました。
かなり時間はかかりましたが、とうとう過半数が血管内治療という時代に突入したのです。

「今後どこまで伸びるのか?」とよく質問を受けます。
もちろん未来のことは分かりません。しかし、数年前のアメリカの学会でアンケート調査があり、
Q:「将来何パーセントが血管内治療になるか?」
との質問に対して
日本人医師:70-80%
アメリカ人医師:90%
という結果でした。
この結果に私は大変驚きましたが、現在はほぼ同じような印象になっています。

このように、長期的にはほとんどの脳動脈瘤が血管内治療で治るようになる、と考えられています。
自施設での治療成績は極めて良好です。
新しい治療器具も導入され、適応が広がっていますが、この成績を維持し、更なる普及と発展に協力していきたいと思います。
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1 コメント

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Unknown (K)
2021-12-14 20:30:19
血管内治療というものは、自分自身に脳動脈瘤が見つからなければ全く知らなかったことと思います。
していただいた今でも、信じられない技術です。
血管の中から脳まで行って治療までしてしまう。治療していただいてから、周囲に感動を伝え、脳ドックの受診を薦める人になってしまいました。
先生は存在で気持ちを落ち着かせてくださり、経験を培われた技術で、治してくださり、心身ともに救われます。
他の先生方、看護師さん、技師さんたちとの連携も本当に素晴らしいと思います。皆さんあっての今があるのでしょう。

これからの治療成績の益々の向上、ずっと応援しております。
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