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カルシウム拮抗薬

2011年08月14日 | 脳卒中
カルシウム拮抗薬

 カルシウム拮抗薬は、正式には「カルシウムチャネル拮抗剤」というものです。細胞膜上のカルシウムチャンネルに結合し、細胞内へのカルシウムイオンの流入を阻害する薬剤です。といってもちょっと難しいですね。もう少し簡単に説明します。
 まずカルシウムです。カルシウムは、骨の成分として有名です。背が伸びるようにカルシウムのいっぱいあるものを食べましょうと学校で教えられましたね。ではなぜカルシウムと血圧が関係あるのでしょうか?
 カルシウムは骨の成分として有名ですが、実はもう1つ、大事な働きがあるのです。それは筋肉の収縮(しゅうしゅく)、つまり筋肉がちぢむことをコントロールすることです。カルシウムがカルシウムチャンネルという細胞膜の表面にある穴から細胞内に入ると、血管が縮み、その結果、中の圧力である「血圧」があがるのです。
 カルシウム拮抗薬はカルシウムイオンが細胞の中に流入するのをとめますから、血管の筋肉(血管平滑筋)をゆるめ、血管を拡張させることにより血圧を下げるのです。
 カルシウム拮抗薬の作用機序、分かりましたか?

代表的な薬品名
1. ジヒドロピリジン誘導体
 (血管拡張作用が強く、主に降圧に使用される)

 商品名:アムロジン、ノルバスク、ペルジピン、アダラート、ニバジール、カルスロット、コニールなど

2. フェニルアルキルアミン誘導体
 (このタイプは降圧降下はあまりなく、心臓内の刺激伝導系
 の機能を抑制し、頻脈発作に多く使用される)

 商品名:ワソラン

3. ベンゾチアゼピン誘導体
 (1と2の中間のタイプで、降圧や頻脈発作に使用される)

 商品名:ヘルベッサー

主な副作用
 過度の降圧による低血圧や頻脈
 顔面紅潮、頭痛、熱感(血管拡張作用のため)
 下肢浮腫、歯肉腫脹
 徐脈、ブロック、心不全 (特にワソラン、ヘルベッサー)
 その他(便秘、発疹、消化器症状等)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カルシウムと血圧? (M&Y)
2011-08-14 23:28:53
カルシウムにそんな働きがあるなんて知りませんでした。
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