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脳動脈瘤 その35 脳血管内治療:その5 コイル塞栓

2021年06月16日 | 動脈瘤
さて今回はいよいよ脳動脈瘤をコイルで塞栓する治療を紹介します。
脳動脈瘤は脳の血管がふくらんだ状態のことです。壁が薄くなっていることが多いため、時に破裂してくも膜下出血を起こします。一度破裂すると再破裂することが多いため、その予防のために動脈瘤内にコイルを詰める治療が行われます。

コイルは主にプラチナ合金で出来ていますが、金属とは思えないほど柔らかいものです(図1)
非常に細い金属繊維を編み込むように巻いて作成してあるので、金属というより糸に近いイメージです。
またこのコイルは自然に丸くなるよう形状記憶加工されています(図2)。
このためそれぞれの動脈瘤に合うサイズや形のものを選んで使用すれば、うまくフィットします。

マイクロカテーテルが動脈瘤の中に入ったら、ゆっくりとコイルを挿入していき、入りきったら通電して切り離します。このようにして次々にコイルを入れていき、しっかりと詰まったら治療は終了です(図3)。

この方法では頭を切る必要がありません。そして、脳に触れずに脳動脈瘤を治せます。足の付け根から管を入れるだけですし、簡単な症例では局所麻酔でも治療可能で、体にやさしい方法です。

従来の開頭手術と比べて利点が多いように思われますが、実際にその効果は科学的に証明されています。次回、その詳細を紹介します。

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5 コメント

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Unknown ()
2021-06-28 22:56:24
先生、お忙しい中返信ありがとうございます❗️痛みにはカロナールではなかなか効かず、、 自分でも鎮痛薬の薬勉強してみます。
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鎮痛剤について (吉村)
2021-06-28 22:04:27
まず月に2−3回であればあまり心配はいらないように思います。さて、NSAIDsには血管障害リスクがあるとする報告もありますが、海外にはNSAIDsの種類が多いようで、その中のどれが安全かについてはまだ一定した見解がないようです。鎮痛剤にはどれも副作用があり、なかでもNSAIDsは重篤な消化管出血をきたすことが知られており、腎障害もあるとされています。このようなことから、海外での鎮痛剤のスタンダードはアセトアミノフェンだと言われています。ただし、アセトアミノフェンにも副作用がありますので、痛みのコントロールについては主治医とよく相談なさってください。
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Unknown ()
2021-06-28 16:12:45
いつもブログやコメント欄拝見させていただいております。私は脳動脈瘤持ちで片頭痛もあるため月に二回三回、ロキソニンを服用します。近医はいつもロキソニンを処方してくれるのですが、あるHPによるとNSAIDsには血管障害リスクを有意に上昇させるデータが示されたとありました。脳動脈瘤もちで安全に使用できる鎮痛薬はないでしょうか?先生の見解を伺えたら幸いです。
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眞由美さんへ (吉村)
2021-06-16 20:24:59
温かいお言葉ありがとうございます。
そのように言っていただけるとやる気が出ます!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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Unknown (眞由美)
2021-06-16 16:52:47
いつもお勉強させて頂いております。
先生のご説明がわかりやすいので
とても簡単そうに思えてしまいます。(ごめんなさい)
でも、こんな風にわかりやすく説明されると
患者さんは安心できますね。
あっ、私の場合は破裂した状態でしたから
説明は家族がうけましたが、
とても、心強かったと言ってました。
今から思えば、手術前でご自身も大変なのに
不安で倒れそうな家族の気持ちにも寄り添う事まで…。本当に大変なお仕事なんだなと思います。
感謝です。

これからも、楽しみにしております。
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