先日出版した脳血管内治療トラブルシューティング虚血編が脳神経外科部門でAmazonの売り上げ1位になりました!
この本は私が一緒に仕事をしたメンバーと経験した症例を中心とした手術技術の指南書です。
トラブルが起きそうになった時に回避する方法、そしてトラブルを未然に防ぐ方法を、症例呈示を通じて学んでもらうスタイルです。
脳動脈瘤編とともに発想から5年以上の歳月をかけて書き上げた私たちの渾身の作です。
一人でも多くの血管内治療医に手にとって頂き、明日からの診療に役立ててもらえれば嬉しいです。
この本は私が一緒に仕事をしたメンバーと経験した症例を中心とした手術技術の指南書です。
トラブルが起きそうになった時に回避する方法、そしてトラブルを未然に防ぐ方法を、症例呈示を通じて学んでもらうスタイルです。
脳動脈瘤編とともに発想から5年以上の歳月をかけて書き上げた私たちの渾身の作です。
一人でも多くの血管内治療医に手にとって頂き、明日からの診療に役立ててもらえれば嬉しいです。
『間接吻合術にもいろいろな方法があるのですが、バイパスがちゃんとできる脳外科医ならやはり直接吻合術が基本、「間接吻合術しかできなかった」という場合には、「つなぐ血管がない」のではなく、その術者に「つなぐ技術がない」ことが多い、もやもや病のバイパス術は特別、0.5mm-0.6mmという細く壁の薄い血管をつなぐ自信がない場合には、最初から経験と技術のある人に任せるべき、もやもや病のバイパス術は緊急手術ではないので、患者さんは他院に紹介されてもまず困りません。』
を拝読し、いてもたってもおられず、率直なご意見をいただきたくコメントさせていただきました。
つい3週間ほど前に、主人がもやもや病で間接血行再建術を受けました。主治医からは、血管が非常に細く脆いため直接血行再建術が成功する確率が低いと説明を受けました。脳血管撮影でも脳の上半分は血管が映らず真っ白で、ステージ6の末期らしいです。
セカンドオピニオンを受けるなら準備はできていると説明を受け、兵庫医科大学病院と他にも名前をあげていただきましたが、患者本人が特に希望しなかったのと、手術予定日まであまり日がなかったので、そのまま間接血行再建術を受けました。患者は1年前の40歳で脳梗塞によりもやもや病と診断され、投薬治療を続けていましたが、今回、脳出血による全身痙攣、救急搬送され新たな脳梗塞も見つかり、3週間ほどして手術を受けました。
今となっては遅いですが、先生なら、直接血行再建術の成功が可能でしたか?
昨年の「脳動脈瘤編」(2014年3月20日)に続いて刊行された
『脳血管内治療トラブルシューティング――脳虚血編――』
(診断と治療社 2015年7月10日)が、
Amazon 脳神経外科部門において「売り上げ1位」になられたとのこと。
本当におめでとうございます!
特筆すべきご快挙ですね。
「売り上げ1位」を言祝ぐというより、
本書がそれだけ多くの脳血管内治療医の先生方に活用され、
医療従事者の方々の好評を得ていらっしゃるということについて、
吉村先生はじめご執筆者の先生方の多大なるお骨折りとご貢献に、
心よりの敬意を表します。
*
「トラブルが起きそうになった時に回避する方法、そしてトラブルを
未然に防ぐ方法を、症例呈示を通じて学んでもらうスタイルです。
脳動脈瘤編とともに発想から5年以上の歳月をかけて書き上げた
私たちの渾身の作です。」
との吉村先生のお言葉から、「脳卒中をやっつけろ!」でかつてご紹介のあった、
濱田潤一郎先生のご生前のお言葉を、改めて想起しました。
「武蔵は晩年、五輪の書という本を書いた。だから後世に名を残したんだ。
手術も同じだ。うまいだけでは、いずれ歴史の中では消えてしまう。
だから文章にして記録に残しなさい。」
研究/教育/診療/社会貢献・・・数々の活動に関わるひとつひとつのお仕事を、
日々こなしていらっしゃるなか、手術における<匠の技>を「文章にして記録に残す」
ことがどんなに<至難な技>であることか・・・
吉村先生が座右の銘としてこられた濱田先生のご助言を、この度のご著書でも
見事遂行なさったことに、その意志と情熱、叡智と労力に、
改めて、心よりの敬意を表します。
*
「一人でも多くの血管内治療医に手にとって頂き、明日からの診療に役立てて
もらえれば嬉しいです。」
とのお言葉通り、本書が血管内治療に従事なさる大勢の先生方によって活かされ、
お一人お一人の患者さんが危機的状況から救済されますように。
そして、その命に連なる大勢の方々が笑顔を浮かべ、かけがえのない人生を
それぞれに送ることができますように――。
猛暑のなか、献身的なお働きをなさっていらっしゃる、
お一人お一人の先生方のお蔭で、私たちの幸せがあることに、
改めて、深い感謝の念を抱かないではいられません。
先生方ご自身のご健康とご多幸を、心よりお祈りしつつ――。