脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳動脈瘤の再発について

2012年05月11日 | くも膜下出血
くも膜下出血を経験した方から、再発について質問がありました。
外来でも時々この質問を受けますので説明したいと思います。

治療後の再発率は、くも膜下出血となった患者さんにコイリングを行ったか、クリッピングを行ったかで違います。
クリッピングの場合には再発は少なく、完全にクリップが行われた場合には年間再発率は0.02%と報告されています。
これに比べ、脳血管内手術の場合には再発することが稀ならずあります。
例えば、米国のCARAT研究では、クリッピング後の再治療は1.7%であったのに対し、コイリングでは15.7%に行われています。この数値だけを見ると約10倍ですね。
ただしコイリングの方も、治療後3年経過すれば、その後の再発は減少することが報告されています。

このためコイリングを行われた場合には、治療後最低でも3年間は定期検査が必要とされています。
クリップの場合にも、再発がゼロではないという考えから定期検査が行われることがありますが、完全な治療が行われていれば年間0.02%ですから、10年でも0.2%と極めて再発率が低いので、定期検査を行わない病院もあります。

以上ご参考となれば幸いです。
コメント (7)
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梅ちゃん先生

2012年05月07日 | 閑話休題
NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」がとても面白い!

このドラマは終戦直後の東京・蒲田を舞台として、ヒロインの堀北真希さん扮する下村梅子16歳が、周囲の人達に支えられながら医師を目指すというストーリーです。

私は録画して見ていますが、毎回心温まるエビソードがあってジーンときますよ!

最近の医師国家試験では例年、合格者の30%以上が女性となっています。男女それぞれの合格率だけをみると、女子が男子を上回っていることが多いのです。女子は優秀なんですね。

医師不足が叫ばれる昨今ですが、女性医師の活躍の場を広げることも医師不足を解消する一助になると思います。

女医さん達、頑張れ!


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プラビックスとパナルジンの作用機序

2012年05月05日 | 脳卒中
アスピリンのライバルのうち、まずプラビックスとパナルジンという薬を紹介します。これらの薬もアスピリンと同様、血液中の血小板という成分が凝集(くっつき合うこと)を抑える作用があります。これにより血液が固まりにくくなり、脳梗塞の再発が減少するのです。

その作用を少し詳しく紹介します。
「各種抗血小板薬の作用機序」(4月24日)の図を参照してください。
まず血小板が凝集するには、ADPという物質による刺激が必要です。ADPは血小板の表面にあるADP受容体と呼ばれるタンパク質に結合して、血小板を凝集させるための連絡を出します。プラビックスとパナルジンは、このADP受容体の活性化を防ぐことで、血小板凝集を防ぐのです。

プラビックスやパナルジンは血小板凝集を抑制する作用が強く、血管内にステントなどの異物を留置する際には必須とされています。しかし、パナルジンには稀ながら重大な副作用(血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少症、肝機能障害など)が起こることがあります。ですからパナルジンを服用する人は、定期的に血液検査を受けなくてはいけません。この副作用を克服するために改良されたのがプラビックスなのです。プラビックスはパナルジンと効果はほぼ同じでありながら、副作用が少なく安全性が高いことが知られています。

以上、プラビックスとパナルジンの作用とその違いについて紹介させて頂きました。
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お祭り

2012年05月04日 | 閑話休題
皆さん、ゴールデンウィークをいかがお過ごしですか?
私は主に仕事でコンピューターに向かう毎日ですが、昨日の夜は友人家族とともに地元、北方町のお祭りに出かけました。
普段は寂しい商店街ですが、昨日は人で溢れかえっていました。
それにしても神輿は活気があっていいですねー。
わずかな時間でしたが、元気をもらいました!
コメント (2)
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