簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

三石の耐火煉瓦(JR乗り潰し・山陽本線)

2016-03-02 | Weblog
 山陽本線の列車は、兵庫県の相生を出てその先の有年を過ぎると、その進路を
大きく北に向け次の上郡を過ぎたあたりで南下して岡山県の最初の駅三石に至る。
 地図を見ると良く解るが有年からはほぼそのまま西進すれば三石には、半分ほど
の距離で行けるのにわざわざ遠回りしているのである。



 これは線路の急な勾配を押さえるため立ち塞がる有年の丘陵を避け、車窓左手
に見え隠れする千種川沿いの低湿地へあえて迂回させたためらしい。
そこら辺りの事情は、車窓の景色からも十分に窺い知ることが出来る。
上郡を出るとやがて町並みは途切れ次第に車窓には丘陵が近付き、山里の趣が
強くなり間もなくトンネルに入っていく。



 岡山と兵庫の県境を成す船坂峠の下を貫くトンネルである。
ここは上り線と下り線が別になっていて、上り線の方が900mほど長くなっている。

 トンネルを抜けると三石で、列車が駅に近づくと、車窓からは工場の建物や煙突
を目にすることが出来る。その内の一本は、造られて120年にもなる煙突だ。





 多くは耐火煉瓦の工場である。
明治30年代、官営八幡製鉄が操業を始めると耐火煉瓦の需要が一気に高まり、
ここ三石や近くの片上、日生地区には相次いで諸企業が進出し、一大生産地と
なり岡山を農業県から工業県へ躍進させる原動力の一つとなった。
この付近には、レンガの材料となる良質な蝋石を産する山が有ったからだ。





 今日岡山県の耐火煉瓦出荷額、301億円(平成14年岡山県統計)は全国一位で、
そのシェアは凡そ3割を誇っていてその主要な生産地の一つがここ三石地区であ
る。(続)

『晴れの国・おかやま 観光かるた』アップしました。


   

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