苫小牧の朝は、冷たくて肌寒く、煙るように霧雨が降っていた。
ここはスケートの町らしく、ホテルの近くにも大きなアリーナが有った。
聞けば市内には公営が4か所、民間1か所のスケート施設が有ると言う。
苫小牧の駅のホームで、掃除中の男性と目があった。
「寒いですね」と言うと、「今年は少しあったかい方だ」「冬は、雪は少ないが、風の
強さと寒さは半端じゃない」と言っていた。
霧雨に霞む製紙工場の大きな煙突を見ながら、8時半過ぎの室蘭本線で岩見沢
に向かう。室蘭本線は、長万部から東室蘭、苫小牧を経て岩見沢に至る218Kmの
路線で、函館と札幌を結ぶ幹線である。
が、苫小牧から岩見沢の間は、幹線の座を千歳線に譲り、凡そ2時間に1本程度
のローカル線に凋落している。
かつては夕張や角田など沿線の産炭地から、室蘭や苫小牧の港に石炭を運ぶ
花形路線であったらしいが、その面影は今どこにも感じることは出来ない。
沿線に際立った特別な景観が有るわけでもなく、広大な原野や、整備された農地
にカラフルなサイロを持った農家が点在する北海道らしい風景が淡々と車窓を流れ
ていく。
途中、栗山、栗丘、栗沢と栗の字の付く駅が三つも続く。
車窓から見る限り栗の木が多いようには見えないが、その昔この辺り一面は、栗の
大木に覆われていて、室蘭本線の建設工事では、その栗の木は枕木として大量に
切り出されたと言う。
そんなことからこの辺りには栗の字の付く地名が多いのだとか。
余談だが、プロ野球・日本ハムの栗山監督は、同名のよしみで栗山に住居を構え
ていると聞いた。(続)
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「旧出雲街道 のれんの町・中国勝山の街並み」
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