土湯の温泉街を貫くように、阿武隈川水系の一級河川、荒川が流れている。
その中心地、バス停の近くの川岸には、顔出しパネルと共に一際目を引く細長
い建家が建っていて、中には巨大なこけしが収められている。
これは毎年4月に開かれるこけし祭りの30周年を記念して、工人が総がかりで
作り上げたこけしだ。材料はイタヤカエデで、その高さは3m、重さ500キロと言わ
れる立派なもので、制作には12人の工人が加わったと書かれている。
どうやらこの巨大こけしは三姉妹の一人らしい。
また荒川を少し遡ると、市道に橋が架かっている。
荒川大橋と言い、その袂には巨大な4本のこけしが立っている。
ここ土湯温泉は「土湯系こけし」のふるさとで、鳴子、遠刈田と並んで東北地方に伝
わる伝統こけしの三大生産地の一つに数えられている。
それを象徴するのが、これらの巨大モニュメントである。
土湯温泉を中心に発祥した「土湯系こけし」は、最盛期には30名近い工人が制
作活動をしていたらしいが、今日では、10名程度まで減っていて、しかも専業で製
造にあたっているのはその内の3名だけだと言う。
一大生産地とは言え、昭和40年代の爆発的なブームが去った後は、それだけ市
場が縮小し、製造も販売も思うに任せない状態にあるらしい。
こけし作りは修行に基づいて一子相伝的に技術の伝承が行われてきたが、ここに
来てこの地もご多分に漏れず後継者難と言う深刻な問題も抱えているようだ。(続)
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その中心地、バス停の近くの川岸には、顔出しパネルと共に一際目を引く細長
い建家が建っていて、中には巨大なこけしが収められている。
これは毎年4月に開かれるこけし祭りの30周年を記念して、工人が総がかりで
作り上げたこけしだ。材料はイタヤカエデで、その高さは3m、重さ500キロと言わ
れる立派なもので、制作には12人の工人が加わったと書かれている。
どうやらこの巨大こけしは三姉妹の一人らしい。
また荒川を少し遡ると、市道に橋が架かっている。
荒川大橋と言い、その袂には巨大な4本のこけしが立っている。
ここ土湯温泉は「土湯系こけし」のふるさとで、鳴子、遠刈田と並んで東北地方に伝
わる伝統こけしの三大生産地の一つに数えられている。
それを象徴するのが、これらの巨大モニュメントである。
土湯温泉を中心に発祥した「土湯系こけし」は、最盛期には30名近い工人が制
作活動をしていたらしいが、今日では、10名程度まで減っていて、しかも専業で製
造にあたっているのはその内の3名だけだと言う。
一大生産地とは言え、昭和40年代の爆発的なブームが去った後は、それだけ市
場が縮小し、製造も販売も思うに任せない状態にあるらしい。
こけし作りは修行に基づいて一子相伝的に技術の伝承が行われてきたが、ここに
来てこの地もご多分に漏れず後継者難と言う深刻な問題も抱えているようだ。(続)
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